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Story | 【公式】オーベルジュメソン|滋賀・何もしない贅沢を味わう籠れる宿 - Part 10

Story

滞在中の楽しみ方を、
周辺のスポットや季節のトピックを
交えてご紹介しています。

「オーナーさんの趣味ですか?」

2018.04.26

 

先日、リニューアル後の「ログコテージ」にご宿泊になった方に、
この部屋のインテリアは、「オーナーさんの趣味ですか?」と聞かれた。

 

不意を付かれた感じで、まったくうまく答えられなかった。

 

あれは、わたしたちの好みなのか?
そんなふうに考えたことがなかったのだ。

 

前オーナーから買い取り、
オーベルジュを立ち上げた16年前、
客室は事実上「ログコテージ」1室しかなかった。
他にもベッドがある部屋はたくさんあったが、
明らかに時代から取り残されていた。

 

事実上1室しかなかった客室は、
わたしたちの暮らしを支え、全体で5室に増えていたリニューアル前まで、
最も売上げを上げてくれていた人気の客室だった。

 

文字通り、オーベルジュメソンを象徴する客室を、
リノベーションしたのだ。

 

これまで宿泊いただいた方々、リピートいただく方々の、期待を裏切らない、
オーベルジュメソンのこれからの「王道」をどうつくりあげるか、
という課題は結構重いものだった。

 

「現役を引退したバラク・オバマの森の別荘」
そんな事を苦し紛れにいいだした。
苦し紛れだが、このコンセプトは、
これからのメソンの「王道」にはふさわしいと思った。
ここから、プランはスタートした。

 

でも誰も、オバマ氏の暮らしも好みも知らない。
輸入家具屋さん、アンティークショップや、古材屋さんなどを、
建築家とめぐりながら、少しずつプランが固まっていく。

 

工務店さんの提案もありながら、
できあがったのがいまの「ログコテージ」だ。

 

もちろん、最終的に〇×つけていったのは、わたしたちだが、
「あなたたちの趣味なのか」といわれると、
「わからない」という答えが正直なところだ。

 

判断基準は、わたしたち内部にあるのではなく、
「メソンをどう導いていくか」という外部にあるからだ。
「メソン」はわたしたちの所有物ではなく、
次世代に引き渡すべき「預かりもの」という感覚があるからだと思う。

 

選択したのは、まぎれもなくわたしたちだが、
「わたしたちの好み」が判断基準ではないということが、
この時の正確なお答えなのかなぁ?

 

まだ、どうもしっくりこない。

口頭が1番で、手書きが2番。できればあとは「なし」で。

2018.03.21

とある日、50歳代のご夫婦と、息子さん、娘さんの4人で、
ご宿泊にお越しになった。

 

ご予約は、お父さん。
ご自身の誕生日だからと、ケーキがつくプランをお選びになっている。

 

 

後日娘さんから
「ケーキがつくと聞いていますが、メッセージをつけてもらえませんか?」と電話がある。
直接お問い合わせがある場合は、
「カードをご準備しますので、直接メッセージをお書きになりませんか」と
ご提案している。

 

ディナーが進み、デザートとともにケーキをお出しする。
お父さんは、ケーキが出てくることはご存知だが、
手書きのメッセージが添えられていることに驚く。

 

このブログの主旨はここからだ。

 

ご予約とともに、メッセージ文も合わせて送られるケースは、
メソン側で書いてカードを添付する。
その場合、食事後100%の確率で、テーブルに放置されている。

 

メッセージを送られた側は、「行為」には感謝されるが、
「メッセージ」には「既製品感」がでてしまい、重要視されなくなってしまうのだろう。

 

メッセージの伝達に、わたしたちが介在する事による弊害だ。

 

手書きのメッセージの場合、
ディナー後テーブルの上から姿を消している。
ほぼ100%お持ち帰りになるのだ。

 

このご家族のケースは、ケーキをお出しした直後に、
カードがテーブルから姿を消した。
「あれ?カードちゃんと出したよね?」と、
スタッフ内部で確認したほどの異例の早さだった。

 

おそらく、速攻でお父さんのポケットへしまわれ、
部屋に戻られてから、手帳や財布に移動し、
保管されことになるのだろう。

 

同じカードでも、このメッセージは長くお父さんの心の中に残る。
お父さんにとっても、このご家族にとっても、
そしてこのカードにとっても、とてもシアワセなことだ。

 

メッセージは、直接伝えること。
口頭が一番に決まってます。
カードは次善の策ですが、その場合でも、ご自身の手書きで。

 

わたしたちは、そうあってほしいと願っています。

 

メソンの予約窓口も、そんな流れができるようにちょっと工夫してみます。