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Story

滞在中の楽しみ方を、
周辺のスポットや季節のトピックを
交えてご紹介しています。

これもメソンの一部です。

2019.05.16

「日本科学技術大学教授 上田次郎のどんと来い、超常現象」

上田次郎・著 学研

 

 

「読む」ことよりも、まず「買う」こと、

ここに「ある」ことに意味がある本がある、と思う。

 

この本は、ぼくにとってまさにそうだった。

買った時点で「たぶん読まないだろう」と思っていた。

やっぱり今でも読んでないし、

これからも読まないだろう。

 

 

堤幸彦監督による2000年から14年間にわたる、

ドラマ・映画によるシリーズ「トリック」。

登場人物である超常現象研究家・上田次郎氏(阿部寛)による

生い立ち、教授になる道のりが書かれているらしい。

(私は知らない…)

 

このシリーズ。

1955年生まれ、名古屋育ちの堤監督の、

その世代と育ち丸出しの独自のギャグが次々繰り出されながら、

えせ超常現象による事件が解決されていく物語。

 

10歳ほど年下ながら、名古屋周辺育ちの僕にはぴったりの

「自分のなかにも眠っている」おもしろなセンスながら、

その「おかしさ」は子供世代にもとても新鮮に映っていたようだ。

 

 

 

誰かの家を訪れた時、

本棚をみると、その人の頭の中を覗いてみたようでおもしろい。

 

メソンのライブラリーも、

基本的に私たちが読もうと買った本が並んでいるので、

そんなふうに興味をもってながめていただいても

間違いはない。

 

 

だからこそ、「どんと来い、超常現象」はここにあることが必要なのだ。

ほかの本には表現できない、

私たちの、ある側面が確実に表現されているのだ。

 

何年たっても、読まないけど(笑)。

 

 

 

 

 

樂家当主が綴った、茶室の建築日記。

2019.04.28

「茶室をつくった。」

淡交社  樂 吉左衛門・著

 

 

 

滋賀県にある美術館といえば、

「滋賀県立近代美術館」「MIHO MUSEUM」「佐川美術館」といったところか。

 

「滋賀県立近代美術館」は、全面建て替えのため休館中なのだが、

工事費の値上がりのため、予算繰りができず、

着工のメドが全くたたない、というかなり寂しい状態だ。

 

さて、この本。

佐川美術館に、2007年に建てられた茶室の5年にわたる建築記録。

設計をした千家十職・樂家15代吉左衛門氏の日記やメールのやりとりを、

まとめたものだ。

 

この本を読んだのは、何年も前のことだが、

メソンを始めて何回かのリニューアル工事を経験してきた僕にとっては、

かなり衝撃的だった。

 

「ん~、建築ってこんなに緻密に向き合わないといけない世界だったか…」

 

客室などを考える際、

どうしてもデザインと機能を優先して考えがちだ。

でも大切なのは、「なんのための客室か」だと思ってきた。

その上で、デザイン・機能なわけだ。

 

この考え方は正しいと思うが、

「なんのため」の思考の膨大さに驚く。

 

氏は「もともと始めから完成への設計図など持ち合わせぬ、

まるで即興演奏のような思考とアイディアのスイングに頼って推し進めてきた

そのやり方は、茶わん作りと変わらぬ生来のもの」だという。

 

なにもないところに「即興」が成り立つわけもなく、

即興演奏には、「広大な問題意識と膨大な知識の蓄積」なのだと思う。

つまり、日ごろからいろんなものを見聞きし、

ちゃんと考えていることが必要なのでしょう。

 

 

「ハナレ」の部屋を作る際、キーワードの一つに

「茶室」が出てきていました。

 

もしかすると、この本に影響を受けていたのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

ビル・エバンス!

2019.02.10

「ワルツ・フォー・デビー」

ピアノ/ビル・エバンス

 

1961年、ニューヨーク「ヴィレッジ・ヴァンガード」で、

録音されたジャズトリオのライブ。

観客の笑い声・拍手はもちろん、グラスの中の氷の音まで聞こえる。

 

ジャズの世界に初めて触れたのは、大学1年の頃。

あるとき同学年の友人が住む、「一つ星寮」という風変わりな名前の下宿へ。

夜に訪れた彼の部屋は、うす暗い照明、香が焚かれ、音楽が静かに流れていた。

そして酒。

これまでのぼくの育った環境には、何ひとつなかったものが、そこにはあった。

「なんだここは!」

 

その時流れていたのが「ワルツ・フォー・デビー」。

とても落ち着けた。

「これが大人の世界か…」

 

それから40年近く。

ビル・エバンスのCDは、20枚ほどある。

ジャンルは様々だが、数百枚あるCDの出発点はここにある。

 

今でもぼくにとってのベストなCDは、これかもしれない。

大学に入った意味のひとつは、このCDとの出会いだったともいえる(笑)。

 

「大人な音楽」の入口、ジャズの入口として、ふさわしい1枚。

なかでも1曲目「マイ・フリッシュ・ハート」がすばらしい。

 

 

神の眼を持つ写真家

2019.02.10

「Genesis ジェネシス(起源)」(Taschen)

セバスチャン・サルガド

 

なんと、500ページを超える写真集。

この人を知ったのは、3、4年前の映画館のチラシから。

ヴィム・ヴェンダース監督「セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター」という

ドキュメンタリー映画だった。

 

調べてみると、ブラジルの報道写真家で、環境運動家。

戦争・労働・地球などをテーマにした、

有名なカメラマンのようだ。

 

閉所に行くと息苦しくなるぼくは、映画館にいく気にはならないのだが、

掲載されていた写真に強くひかれた。

しばらく、この人を忘れてしまわないように、

このチラシは冷蔵庫にはっつけておいたのだが、

期限切れの扱いをうけ、いつしかなくなったいた。

 

しばらくして、東京の某デパート。

ブラジルフェアのようなイベントの一角に、

この人の「genesis」が。

「おー。とうとう出会ってしまった!」

だが、あまりの重厚さに、買って帰る気にはなれず、

別ルートで入手したのだ。

ちらっとでも、中を見ていただきたい。

 

ある瞬間が訪れるまで、膨大な時間を費やす人だけに備わる

「神の眼」が実感できるはずだ。

 

 

メソンスタートの著。

2019.02.08

「インターネット的」(PHP新書)

糸井重里・著

 

「メソンは、IT産業です」と、ことあるごとに言い続けてきた。

 

この本が発行されたのは、2001年7月。

私たち夫婦が、メソンの土地・建物を購入したのが2002年7月。

(前オーナーから中古物件を買ったわけです)

 

発行の頃、ぼくは京都で印刷出版業の会社に勤めていた。

オタクな世界だったパソコン通信から、インターネットへの移行期で、

関連業界の周辺は、インターネットの登場で、紙媒体や本はこれからどうなっていくのか、

という予測が激しく行われていた時期だ。

 

ぼくの仕事は、組織や個人がもっている情報を、

ある目的を実現するために再編集し、媒体へ落とし込むことだと思っていたので、

「媒体が違うだけでやることは同じ」なんてぐらいに思っていた。

 

この本が出版される少し前に、いわゆる「ほぼ日」が立ち上がっている。

当時は文字通り、糸井さんが毎日更新する「日記」のようなものだけがあるようなサイトだった。

「とにかく様々な人たちが行きかう『にぎわい』をつくるんだ」というようなことを語られていたことが記憶にある。

 

広告に予算を組めないメソンの創業時代。

どんなサイトを作るかだけが、死活のかかったテーマだったわけだ。

以来、糸井さんの発言や行動を、「存亡」をかけてときどきに見続けてきた。

 

「誠実であること」

これが僕にとっての最大の「教え」かもしれない。

リノベーションの素。

2019.02.03

「Things We Made ローマン アンド ウイリアムスの軌跡」(グラフィック社)

 

上の写真を見つけたのは、去年の始め。

「ログコテージ」の工事に入る前、

プランの最終の詰めをしているころだったか。

 

飛行機に乗るのがとても苦手。

できれば家に籠っていたい僕(妻は対照的な人間です)が、

2年に1度は大きなリノベーションを繰り返すプランのイメージをつくる基にするのは、ネットの画像検索だったりするときも。

その時に出てきたのがこのお店。

 

トラディショナルからインダストリアル。時代や地域。

様々なものが融合したデザインが、とてもメソン的な感じがしたのだ。

 

ハリウッドで美術監督としてキャリアを積んだのち、

ニューヨークを拠点にデザイン会社を設立。

この店舗は、初めてオープンした自身のショップ。

オリジナルデザインの家具・雑貨や、フラワーショップ、カフェを併設する。

 

「この人たちの作品集が出版されているらしい」という妻の言葉に促され、即座にオーダー。

この冬開始する、小さな工事の素はここからなのです。

あなたのいちばんたいせつなものをさがしにゆきませんか?

2019.01.31

下の娘が本屋さんでこんな絵本を見つけてきました。

「メソンに置いたら?」と。

 

「森の絵本」(講談社)

長田 弘・作

荒井良二・絵

 

・・・きみにとって だいじなものは 何?

「すきなひとの 手を にぎると わかる」

その声は いいました。

「ほら、こんなに あたたかい。だいじなものは その あたたかさ」

 

・・・きみにとって たいせつなものは 何?

「すきなひとの 目を 見れば わかる」

その声は いいました。

「ほら、その人の 目のなかに きみがいる」

 

「森へ ゆこう」

その声は いいました。

「いちばん だいじなものが 森のなかに ある。

きみの いちばん たいせつなものが ある」

 

 

今日は、僕が読みました。

明日からメソンのライブラリーに並びます。