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2021春。ウイーン移住への記録 第20回

2020.09.28

オーベルジュメソンの経営を、
まったくの素人から夫婦で始めて18年が経ちます。
そんな僕たち夫婦が1年後の2021年春、
ウイーンへ移住し、開業することが決まりました。
この連載は、移住までの顛末を記録していきます。
「今の暮らしを変えたい!」なんていう希望をお持ちの方々に、
なにかのお役に立てればとリアルタイムに書いていきます。

ちなみに移住までは、夫婦ともメソンで仕事をしております。
その後のオーベルジュメソンの経営は、わたしたちの長女が引き継ぎます。
(このブログはあくまで夫の観点から書いていきます。
妻の観点は直接お聞きください・笑)
──────────────────────────────

さて、ケンブリッジ英語検定の受験日当日。

 

会場は、日本での実施団体である河合塾京都校。

自宅からもっとも近い会場です。

試験開始は14時からですが、お昼ご飯を直前に食べると試験中に眠くなりそうでしたから、

早めに京都入りして、11時にランチスタート。

14時までの間は、場所を移してコーヒーを飲みながら、

苦手なヒアリング用の音声をひたすら聞くことにしました。

(途中、意識が飛んでいた時間があったようです。おかげで頭がすっきりします)

 

さて、会場へ。

定員30人ほどの教室に入りますが、受験番号がはられた机は5つだけ。

この日のこのレベルの受験生は、5人だけのようです。

あとから残りの受験生が入ってきましたが、高校生か、浪人生か。

みんな10代の様相です。

先におじさん一人が座っているので、

みんな「会場をまちがえたんじゃないか?」と、一様に動揺します。

 

この受験生の少なさは、

日本でのケンブリッジ英語検定の不人気ぶりを表すのか、

実施時期のタイミングが外れているのか。

事情はよく分かりませんが、

試験監督や、会話試験の試験官の人件費すら賄えてないやんと、

余計な心配をしてしまいます。

 

さて、本番の試験内容ですが、

回答用紙はもちろん、試験用紙も事後にすべて回収です。

 

もちろん詳細は記憶にありませんが、

イギリスから取り寄せた3冊、あるいはネット上に存在していた模擬問題集は、

内容・テーマ・難易度など、本番の問題をよく分析されたものでした。

繰り返しやる意味があると実感しました。

 

なお、こうした問題集は1回1回答え合わせをするのではなく、

答えっぱなしのまま繰り返すと、

いつも新鮮に問題に向かえるというコツがあります。

 

さて、リーディング、ライティング、ヒアリングの3つの試験の後、

会話の試験が始まります。

 

番号順に2名づつ呼ばれ、別会場へ。

事前に試験本番の様子が録画された動画で見ていたように、

試験の進行役が1人、採点役が1人。受験生が2人の4人が会場にいます。

 

ちょっと驚いたのは、進行役の女性が日本人の名前を持つ日本人だったこと。

その女性が自身の自己紹介で、「My neme is Yamada Hanako」と名乗ったことです。

(もちろん名前は仮名です。覚えていません)

 

参考動画は、おそらくすべてイギリスで収録されたものなのでしょうが、

試験官はすべてネイティブなのではないかと、思っていました。

 

しかし日本人の試験官の姿をみて、やはりほっとします。

わずかなことですが、これが母国で外国語の試験を受けるメリットなのだと思います。

 

英語で、日本人がどう名乗るのか?

教科書通りなら「Hanako Yamada」でしょう。

その逆でもいいんだという議論は耳にしたことはありますが、

一応、教科書通りで心構えをしています。

 

ところが、試験官は「My neme is Yamada Hanako」。

その後「あなたのお名前は?」(英語で)と聞いてきます。

ぼくは、「えっ?」っと声に出してしまいました。

 

試験官は聞き取れなかったのかと判断したのでしょう、

「あなたのお名前は?」再度質問です。

ちょっと迷った上で、

「My neme is Suzuki Ichiro」と答えました。

(これも仮名です。もちろん本名を名乗りました)

 

もう一人の高校生は、同じ質問に

「My neme is Ichiro Suzuki」です。

 

このやり取り、採点担当者はどう聞いていたのでしょう?

 

さて、3つか4つ程度の試験官からの質問に答えます。

その後、受験生2人に同じ5つの絵が提示され、

それぞれに「好き嫌い」を表明し、それはどうしてかを伝えながら、

2人で会話してください、と言われます。

 

この形式は、ぼくたちの場合うまくいきませんでした。

どうしても、試験官にしゃべってしまい、

隣の高校生への質問や意見にならないのです。

また、彼が自信なさげにもぞもぞしゃべるので、

ほとんど聞き取れないのも要因です。

 

ですから、試験官が助け舟をだして、会話の進行を始めます。

 

この試験。どう評価されるのか、さっぱりわかりませんが、

とくかくよくしゃべれました。

直前の3~4日間程度の短い準備でしたが、

想定問題のテーマのすべてを、自分の仕事や生活に基づいて想定回答を英語でつくった上で望みました。

(短時間の独学でしたので、発音は切り捨てました)

実際の質問は、想定問題とは違うものが多かったのですが、

この訓練が役立ったといえます。

 

例えば、こんなことです。

「あなたは映画を見ることが、好きですか、嫌いですか。それはどうしてですか?」

「あなたは猫が好きですか、嫌いですか。それはどうしてですか?」

好きか嫌いかは、素直な気持ちですから、すぐに反応できるでしょう。

でも、「どうして映画を見ることが、好きなのか?」

「どうして猫が嫌いなのか?」という問いの答えは、

日常の生活の中で、普通会話になりませんから、ちょっと考えないといけない。

 

試験本番では、「ちょっと考える」という時間はありません。

考えていると「質問がわかっていない」と判断されてしまうからです。

 

さて、この検定試験は全体の7割の得点で、合格です。

発表は11月上旬。

手ごたえはどうだった?と聞かれますが、

「さっぱりわからない」と答えています。

これ、正直な感想です。

 

 

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2021春。ウイーン移住への記録 第19回

2020.09.12

オーベルジュメソンの経営を、
まったくの素人から夫婦で始めて18年が経ちます。
そんな僕たち夫婦が1年後の2021年春、
ウイーンへ移住し、開業することが決まりました。
この連載は、移住までの顛末を記録していきます。
「今の暮らしを変えたい!」なんていう希望をお持ちの方々に、
なにかのお役に立てればとリアルタイムに書いていきます。

ちなみに移住までは、夫婦ともメソンで仕事をしております。
その後のオーベルジュメソンの経営は、わたしたちの長女が引き継ぎます。
(このブログはあくまで夫の観点から書いていきます。
妻の観点は直接お聞きください・笑)
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英語検定対策の続きです。
 
おそらくケンブリッジ検定だけだと思いますが、
同じレベルの検定でも「A2」と「A2 for school」の2種類があります。
検定レベルは同じですが、「for school」は試験の題材が、
およそ中高生の経験レベルといわれています。
 
どちらの検定も誰でも受験でき、同じ資格が認定されるので、
私は、試験日程が近い「A2 for school」を受験することにしました。
 
模擬試験問題集も、それぞれに存在し、
どちらもやってみましたが、問題内容やレベルに大きな違いを感じませんでした。
たまに、一般向けの問題に職場の場面が出てきて、
[colleagues](同僚)というあまり見慣れない単語が出てくる程度です。
 
 
今回、イギリスから3冊の問題集を取り寄せましたが、
到着まで2週間かかります。
その間を埋めてくれたのが、
下記のサイトです。
 
このサイト、ベトナムで制作されているようですが、
ケンブリッジ検定対策が詰まっています。
 
基本はYouTubeで、各レベルの様々な問題集のうち、
ヒアリング部分の問題を表示させながら出題音声を流すという形式。
公式問題集、他社出版社発行の問題集含め、
かなりな数の問題集が掲載されています。
 
また、YouTubeページ内を探すと、
その問題集一冊すべてがダウンロードできるリンクが張られており、
リーディングやライティング、スピーキングの練習も可能です。
A2もA2 for schoolどちらもあります。
ただし、問題集内に回答が掲載されていないものは、
回答がありません。
 
 
問題集を購入することなく、
狭義の検定対策をこのサイトだけでやってしまうことも、
無理ではないかもしれません。
 
 
これらを使って7月8月の2か月間、最低でも5時間ほどを、
検定対策にあてました。
受験体制に入ると家族には宣言していましたので、
ある程度仕事はセーブされていましたが、
朝夕の一定時間毎日出勤していました。
 
 
僕の場合、スピーキングをどう対策するか。
これまで書いてきたように、すべて独学です。
このテストの実際の様子は、
上記のYouTubeページにも何例かが動画で掲載されています。
 
 
全体で約10分ほど、試験官1名と受験生2名で試験は実施されます。
前半は、試験官との会話、後半は受験生との会話。
あるテーマについての試験官の質問について、受験生が答える。
後半は、5つの質問テーマにかかわる絵が並べられ、
それについての好き嫌い、なぜを受験生どうしが会話するという形式です。
 
かなりな量のヒアリングの練習問題をこなしていれば、
試験官の質問は聞き取れそうですが、
回答を即座に英文にして、発音できるか?
 
僕の場合は、受験日当日の4日ほど前から、準備を始めました。
(会話を習っていない以上、発音レベルは完全に無視しました。)
 
各問題集には、前半も後半も想定されるテーマが準備されています。
そのすべてに、想定回答を作ります。
その中から、実際に問題がでればラッキーです。
 
出なくても、自分の身の回りの様々な出来事について、
自分はどう考えていて、どうしてなのかを英語で整理しておくことは、
アドリブ的な回答を求められた際にも、役に立ったようです。
 
 
 

2021春。ウイーン移住への記録 第18回

2020.09.08

オーベルジュメソンの経営を、
まったくの素人から夫婦で始めて18年が経ちます。
そんな僕たち夫婦が1年後の2021年春、
ウイーンへ移住し、開業することが決まりました。
この連載は、移住までの顛末を記録していきます。
「今の暮らしを変えたい!」なんていう希望をお持ちの方々に、
なにかのお役に立てればとリアルタイムに書いていきます。

ちなみに移住までは、夫婦ともメソンで仕事をしております。
その後のオーベルジュメソンの経営は、わたしたちの長女が引き継ぎます。
(このブログはあくまで夫の観点から書いていきます。
妻の観点は直接お聞きください・笑)
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さて、このケンブリッジ英語検定。
イギリスのケンブリッジ大学の一部門で、非営利組織である
ケンブリッジ大学英語検定機構が実施しています。
 
ですが日本では、とてもマイナーな英語検定のようです。
2年前に河合塾との提携で、日本国内での実施機関が設立されました。
(それ以前の実施経歴は知りません)
 
ですから、日本語ブログなどによる「コツ」のような情報はほとんどありません。
 
また、2020年から試験内容が改定されていて、
情報のなさには拍車がかかっています。
 
 
したがって、日本では「対策本」は皆無です。
念のため、実施機関である河合塾に対策本は購入できないのか、
と問い合わせましたが、「塾生以外にお渡しできるものはありません」
という回答でした。
 
 
 
50歳代後半という私の世代の学校での英語学習は、
「Reader」「Grammar」という2教科。
つまり、英文の日本語訳と文法しか学習していない。
 
今の英語検定は、「4技能試験」が主流で、
日本語訳の力などは当然問われず、
(問題も英語です)
「英文を読み解く力」「英文を書く力」「英語を聞きとる力」「英語で会話する力」が問われます。
これから受験しようとする私には、
恐るべしの事態です。
 
 
しかし、大学も含め、おおよそ10年間英語を勉強してきたことは、
基礎として使えます。
たとえば、
このページの中に、A2受験に必要な単語集があります。
この中の9割以上の単語は、すでに頭の中に存在していたように思います。
 
また、文法の基礎も活用できました。
ただし、きちんと学びなおそうと、
 
この2冊は、一通り学習しなおしました。
このシリーズ、とてもよくできていて、
アマゾンでの評判通り、後のライティングやスピーキングに
自然と役立ったように思います。
 
 
ヒアリングは、こんなサイトでスタートしました。
 
スマホではアプリもあります。
知ってる童話、創作童話など、結構楽しめながら、
徐々に聞き取り聞き取り能力を高めていけたように思います。
 
 
 
さて、これだけでは試験対策にはなりません。
大学受験や他の英語検定の定石を踏まえれば、
どれだけ「過去問」を繰り返すかが問われそうです。
 
ただし、新たな問題形式になって、ケンブリッジの検定は年明けの1回しか実施されていません。
春にも予定されていたようですが、
新型コロナの影響で中止。
 
過去問はどこにも存在していないような状況です。
(2019年までのレベルからは、かなり難しくなっているようです)
 
ですから頼りになりそうなのは、
「想定問題集」ということになりますが、
これもいまのところ日本で発売されている書籍はありません。
 
「ケンブリッジ 英語検定 A2」などというカタカナによる検索では、
有効な情報はほとんどでてきません。
 
「Cambridge English A2」という検索が必要です。
 
 
ただし、日本語のAmazonは、イギリスから取り寄せの模擬試験集が購入可能です。
他にも、ケンブリッジの公式サイトも含め、
選択肢はありましたが、以下の3冊を購入しました。
オーダーしてから到着まで、約2週間かかります。
(もちろん、問題、解説、回答などすべて英語で表記されています・笑)
 
 
これは、ケンブリッジの公式問題集。
4回分。試験のレベルを知るにはもっとも確かな問題集でしょう。
CDは付属していませんので、ヒアリングにはネット環境が必要です。
 
 
 
民間の出版社による全8回の問題集。
CDはありませんので、練習はネット環境が必要です。
 
 
民間の出版社による全8回の問題集。
CDが付属しています。
想定問題集だけでなく、実力をつけるための練習問題が付属しています。
ヒアリングテスト時のテキストがありません。
(テキストがないと、英語が聞き取れない部分は、聞き取れないままになってしまう可能性があります)
 
次回に続きます。
 
 
 

2021春。ウイーン移住への記録 第17回

2020.09.08

オーベルジュメソンの経営を、
まったくの素人から夫婦で始めて18年が経ちます。
そんな僕たち夫婦が1年後の2021年春、
ウイーンへ移住し、開業することが決まりました。
この連載は、移住までの顛末を記録していきます。
「今の暮らしを変えたい!」なんていう希望をお持ちの方々に、
なにかのお役に立てればとリアルタイムに書いていきます。

ちなみに移住までは、夫婦ともメソンで仕事をしております。
その後のオーベルジュメソンの経営は、わたしたちの長女が引き継ぎます。
(このブログはあくまで夫の観点から書いていきます。
妻の観点は直接お聞きください・笑)
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前回のこのシリーズを書いてから、ちょうど3か月。
メソンも、移住の話も事態は大きく変わりました。
 
6月初旬まで宿泊部門は大量のキャンセルと、
新規の予約がほとんど入らない状況が続いていました。
また、春に予定のウエディングがすべて延期。
いつ回復の芽が出てくるのか、
全く読めない状況でした。
 
が、7月以降宿泊部門は一気に回復し、
前年比を上回る実績になります。
 
これまで、経験したことのないほどの満室の連続に、
レストラン部門をすべて休止して、
宿泊部門にエネルギーを集中させてきました。
 
 
 
さて、本題です。
移住の話は、静かに、着実に進行しています。
 
前回は、「私たちの事業プラン」が移住の成否を決めると書いていましたが、
一転、移住の成否を決めるのは、「私自身」であることがわかってきました。
(ここがとても重要なのですが、二転三転しています)
 
 
 
(以下、オーストリア経済振興会社サイトより)─────────────────────────────────
2011年7月1日以来、Rot-Weiß-Rot – Karte (赤白赤カード)制度を利用することにより、オーストリアで就労を希望する就業者の世界中からの移住が可能になりました。 この条件付き移住制度(ポイント制)を用いて、第三国(EU諸国、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイスには別制度が適用)からの高度な資格を持つ就業者およびその家族はオーストリアでの長期移住ができます。Rot-Weiß-Rot – Karte は次のような人材を対象にしています。
─────────────────────────────────
 
つまり申請に必要なのは、上記のポイント。
これをクリアしないと、そもそも申請資格が得られない。
 
そのポイントはどのように計算されるのかは、
下記のサイトから。
(日本語に翻訳の必要があれば、それが可能なアプリでご覧ください)
 
 
つまり、問われているのは
・学歴
・オーストリアで必要な職業能力のための職歴
・英語能力
・ドイツ語能力
・年齢(若いほどポイントが高いが、ぼくの年齢ではゼロ)
 
 
僕の場合、申請に必要なポイントのためには、
英語のA2と、ドイツ語のA1が最低限必要になります。
 
A1とかA2というのは、
CEFR(セファール)、ヨーロッパ言語共通参照枠の基準を指します。
欧州全体で外国語の学習者の習得状況を示す際に用いられるガイドラインのこと。
 
世界中の英語検定の中での対照表は下記から。
 
このうち、オーストリア政府が公認している英語資格をとる必要があります。
ケンブリッジ証明書、TELC、IELTS外交、TOEIC外交、TOEFL外交。
(表記は自動翻訳による)
 
 
このうち、滋賀から近い場所、しかも最短で受験できる資格は、ケンブリッジ英語検定。
検定の申し込み期日ぎりぎりでしたので、
速攻で8月30日の受験日に申し込みました。
 
受験本番まで、ちょうど2か月前です。
さて、準備は間に合うのか?
 
 
 

2021春。ウイーン移住への記録 第16回

2020.06.08

オーベルジュメソンの経営を、
まったくの素人から夫婦で始めて18年が経ちます。
そんな僕たち夫婦が1年後の2021年春、
ウイーンへ移住し、開業することが決まりました。
この連載は、移住までの顛末を記録していきます。
「今の暮らしを変えたい!」なんていう希望をお持ちの方々に、
なにかのお役に立てればとリアルタイムに書いていきます。

ちなみに移住までは、夫婦ともメソンで仕事をしております。
その後のオーベルジュメソンの経営は、わたしたちの長女が引き継ぎます。
(このブログはあくまで夫の観点から書いていきます。
妻の観点は直接お聞きください・笑)
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人類の共同体は、国民国家の集合である。
政治的主権は、最終的には国民国家に帰属しており、それよりも大きな組織(例えば国連)も、またそれよりも小さな共同体(たとえば自治体)も、国民国家の主権を超える権限を持たない。……
 
従って、地球社会の全体を貫いている原理は、国民国家間の競争の論理である。
もちろん、国民国家は絶えず闘っているわけではなく、多くの協力的な関係が結ばれてきたが、そのような協力も、それぞれの国益に合致する限りでしか成り立たない。……
 
国際的な基本枠組みが、「国民国家間の競争」である限り、個人が倫理の点でいくら成熟しても、絶対に重要な社会問題は解決できない。……
 
国民国家の観点からは、最も高潔な行為とは、自国民のために命をも懸ける覚悟でなされることだ。
しかし、その行為は、国家間で見れば、野蛮さむき出しの闘争として表れる。……
 
200年以上も前に、カントが書いてきたことが、今このときほど当てはまるときなはい。
カントによれば、思考の自由とは、理性を公的に使用することだ。
普通私たちが「公的」と見なすこと、例えば公務員が自国のためにあれこれ考えることは、カントの考えでは、理性の私的使用である。
それは国家の利己的利害に縛られているからだ。
理性の公的使用とは、世界市民として考えることである。
 
いきなり、この文章はなんだ?と思われたかもしれない。
 
「新型コロナウイルス後の社会」についての議論はいろいろあるが、
ある新聞に掲載された日本の学者の論考の一部だ。
 
 
 
実は、これを読んで私たちの移住について、
「あぁ、そういうことだったんだ」と、
抱えている問題を深く気づかされたことがある。
 
つまり、「地球社会の全体を貫いている原理は、国民国家間の競争の論理」だということだ。
 
 
私たちの移住への発想はこうだ。
 
①ウイーンへ旅行
②「移住できたらいいねー」と言っていたら、
③「こんな仕事をやってみないか?」という話が舞い込み、
④「やったー!」と、準備を始める。
 
てな具合だ。
 
 
ところが、移住の許可を出す政府側の論理は違う。
人道的な移住を除けば、
国民国家間の競争」に有用な人材のみ、
受け入れる検討をしようということなのだ。
 
 
住みたいところに住む。
そのための稼ぎも自分たちでなんとかする。
 
この考え方しかもたない自分たちを、
少なくとも、オーストリアという国は、
受け入れてくれる可能性が低そうだ。
そのことがようやくわかってきたということだ。
 
これは、単にオーストリアだけではなく、
少なくとも世界の「先進国」では、
同じような傾向をもつらしい。
 
 
大きな企業の現地駐在員への定住許可とは違い、
個人レベルの起業+定住許可というケースの場合は、
「これまでこういう実績をもった人間が、
ウイーンでこういうプランの事業を始めようとしている。
どうです?オーストリアにとってこんなメリットがありますよね?
定住許可を出さないと、もったいないと思いませんか?」
 
 
これで、「国民国家間の競争の論理」に合致するってわけだ。
 
移住への準備を始めてから、数か月。
ようやく「世界の常識」のほんの一部を理解できた。
 
 
前回のブログで登場したすめみやさんとのメールでのやりとりは、
1ヶ月ほどになろうとしている。
この内容は次回から触れるが、
この間、ずーと微妙なズレがあるような感じがしていた。
 
なにがそう思わせていたのかわからなかったが、
国民国家間の競争の論理」を前提にしているかどうか、
このことに拠っていたのだと気づかされた。
 
 
それまで、移住に大切なのは、
ぬかりのない、手続きのための準備だと思ってきた。
 
また、申請の許可がなかなかうまく進まないケースを見聞きしていると、
「なんで、そんな意地悪するんだろ」とか、
「窓口で担当者の恣意的な対応は理解できない」などと、
短絡的にとらえていた。
 
 
しかし、移住の可能性を大きくするのは、
私たちのケースでは、
オーストリアの発展に寄与できるような、
自分たちの「事業プラン」だったのだ。
 
 
 
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2021春。ウイーン移住への記録 第15回

2020.05.27

オーベルジュメソンの経営を、
まったくの素人から夫婦で始めて18年が経ちます。
そんな僕たち夫婦が1年後の2021年春、
ウイーンへ移住し、開業することが決まりました。
この連載は、移住までの顛末を記録していきます。
「今の暮らしを変えたい!」なんていう希望をお持ちの方々に、
なにかのお役に立てればとリアルタイムに書いていきます。

ちなみに移住までは、夫婦ともメソンで仕事をしております。
その後のオーベルジュメソンの経営は、わたしたちの長女が引き継ぎます。
(このブログはあくまで夫の観点から書いていきます。
妻の観点は直接お聞きください・笑)
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他のルートも探ってもらうべきだったのかもしれないが、
大使館を出発点にした情報を、これ以上探っていくのは、
一旦断念することにした。
他に有力ルートが見つかっていたわけではないので、
「オーストリア」「移住」「滞在許可」「会社設立」などのキーワードを、
様々に組み合わせながら、検索を再開する。

あるブログに行き当たった。

「オーストリアであなたが申請する在留許可はどれ? ① – 滞在許可全11種 について説明します」
 
目次
1 滞在許可 – Aufenthaltsbewilligungen
1.1 企業内転勤異動 – Unternehmensintern transferierte Arbeitnehmer (“ICT”)
1.2 モバイル 企業内転勤異動 – Mobile unternehmensintern transferierte Arbeitnehmer (“mobile ICT”)
1.3 企業派遣 – Betriebsentsandte
1.4 自営業者 – Selbständige
1.5 研究者-モビリティー – Forscher-Mobilität
1.6 特別被用者 – Sonderfälle unselbständiger Erwerbstätigkeit
1.7 小学生、中学生、高校生、専門学校生 – Schüler
1.8 大学生 – Studenten
1.9 社会奉仕者 – Sozialdienstleistende
1.10 ボランティア活動従事者 – Freiwillige
1.11 帯同家族 – Familiengemeinschaft
2 おわりに
 


「オーストリアであなたが申請する在留許可はどれ? ② – 定住許可全6種 と その他の在留許可全5種 について説明します」
 
目次
1 定住許可 – Niederlassungsbewilligung
1.1 定住許可 – “Niederlassungsbewilligung”
1.2 芸術家 – “Niederlassungsbewilligung – Künstler“
1.3 研究者 – “Niederlassungsbewilligung – Forscher“
1.4 特別被用者 -“Niederlassungsbewilligung – Sonderfälle unselbständiger Erwerbstätigkeit“
1.5 就労活動外 – “Niederlassungsbewilligung – ausgenommen Erwerbstätigkeit”
1.6 親族・家族結合 – “Niederlassungsbewilligung – Angehöriger”
2 その他の在留許可
2.1 家族 – “Familienangehöriger”
2.2 赤白赤カード – “Rot-Weiß-Rot – Karte”
2.3 赤白赤カード プラス – “Rot-Weiß-Rot – Karte plus”
2.4 EUブルーカード – “Blaue Karte EU”
2.5 無期限在留許可 – “Daueraufenthalt – EU”
3 おわりに
 

このブログ、これまで見たサイト、ブログとは、
比較にならないほどの圧倒的な情報量で、
おそらく、その正確さも比にならない。
ぜひ、このブログの全文を読んでいただきたいところだが、
オーストリア移住に全く関心のない方が多いと思うので、無理強いはしない。
 
それぞれの記事の「目次」を掲載しているが、
これまで見てきたネット上の情報は、
せいぜいこの目次が本文になっている感じだ。
 
このブログは、この目次にそれぞれちゃんと詳細な本文がついている。
驚異的な情報量なのだ。
 
後で聞くオーストリア本国の担当者の話からすると、
このすべてを理解している人は、ほとんどいないんじゃないかと思うほどだ。

このブログの書き手は、
ウイーン発オーストリア情報交流サイト
【Sumemiya】の主宰者。
(以下、この方をスメミヤさんとします。「スメミヤ」は「住めば都」の略か?)
現在は、ウイーンを中心にした新型コロナウイルス関連情報を、
活発に発信しておられます。
 
「見つけてしまったかも…」。
 
この交流サイトの主旨とはズレが大きそうですし、
膨大な文章量になりそうなので、
投稿という体裁を取らずに、
直接スメミヤさんに相談のメールを送ることにしました。
 
 
 
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2021春。ウイーン移住への記録 第14回

2020.05.25

オーベルジュメソンの経営を、
まったくの素人から夫婦で始めて18年が経ちます。
そんな僕たち夫婦が1年後の2021年春、
ウイーンへ移住し、開業することが決まりました。
この連載は、移住までの顛末を記録していきます。
「今の暮らしを変えたい!」なんていう希望をお持ちの方々に、
なにかのお役に立てればとリアルタイムに書いていきます。

ちなみに移住までは、夫婦ともメソンで仕事をしております。
その後のオーベルジュメソンの経営は、わたしたちの長女が引き継ぎます。
(このブログはあくまで夫の観点から書いていきます。
妻の観点は直接お聞きください・笑)
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ウイーンの法律事務所へは、大使館からの紹介であること、
簡単な自己紹介、なんのために移住するか、
事業の内容とおおよその規模、設立すべき会社の種類や移住手続きへのアドバイスがほしいことなどについて、
日本語でメールをしました。
 
 
翌日、ほぼ完ぺきな日本語で、
「内容を確認するので、数日時間がほしい」という旨のメールが届いたのち、
その2日後に再度メールが届きます。
 
そのメールには、
英語と日本語が併記された「契約書」と
「資金洗浄防止法の質問票」が添付されていました。
概要のメールをしただけで、
契約書が送られてきたわけです。
 
契約にはあまり慣れていない、私たちにとっては多少違和感を感じますが、
ある意味、当然のことかもしれません。
契約内容そのものについてのやり取りは無料だが、
依頼内容にかかわる一切については、
今後はすべて契約後の対応になるんだ、ということなのだと受け止めました。
 
 
さて、その契約書の内容です。
私たちの依頼内容になるであろう仕事の内容が、
4つのフェーズに区分されており、その「工数」によって下限と上限の額が設定されています。
それ以外に、メールや面談での相談が
上限なしに無料になる「お得な」顧問契約はいかがでしょう?
なんていうことも月額料金が設定されています。
(移住は1年後ですから、12か月契約です)
 
仕事内容の吟味はさておき、
とりあえず、上限額を合計してみます。
「えっ!5万ユーロ?」
日本円で約600万円です。
これだけの契約ながら、「結果には責任を持たない」と明記してあります。
これ以外に、税理士との契約も必要になります。
ウイーンでの会社の設立+移住というケースで、
ネット上でようやく見つけた糸口をたどった先が、600万円の契約。
これはヤバいと、背筋が寒くなってきました。
 
 
すこし落ち着いてから、
この事態を、ウイーンとドイツのサポート役のご夫妻にメールしました。
「これはまっとうな契約なのか」と。
 
ドイツのご夫妻からは、
「大使館ルートであること、日本語対応ができるということで、ふっかけてきてるんじゃないか。
現オーナーに別ルートを聞いてみる」。
 
ウイーン在住のご夫妻からは、「数年前にオーストリアで極右政権が誕生してから、
移住のための窓口対応が一変している。
今の状況で、お金で結果が買えるなら、安いものかもしれない」と。
このご夫妻はウイーンの移住窓口で、
通訳として立ち会っておられるケースを、
まさに今抱えている実感からのご発言なのです。
 
5万ユーロ以上の出費を覚悟の上で、突入せざるを得ないのか?
暗雲が一気に立ち込めてきました。
 
 
 

2021春。ウイーン移住への記録 第13回

2020.05.18

オーベルジュメソンの経営を、

まったくの素人から夫婦で始めて18年が経ちます。

そんな僕たち夫婦が1年後の2021年春、

ウイーンへ移住し、開業することが決まりました。

この連載は、移住までの顛末を記録していきます。

「今の暮らしを変えたい!」なんていう希望をお持ちの方々に、

なにかのお役に立てればとリアルタイムに書いていきます。

 

ちなみに移住までは、夫婦ともメソンで仕事をしております。

その後のオーベルジュメソンの経営は、わたしたちの長女が引き継ぎます。

(このブログはあくまで夫の観点から書いていきます。

妻の観点は直接お聞きください・笑)

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オーストリア経済振興会社(ABA)からもらった返信の中で、
「あれっと」思ったのは、
「アートギャラリーを経営するにはビジネスライセンスが必要」という個所です。
 
当時は思い至らなかったのですが、
もしかすると美術品を扱うギャラリーだと思われていたのかもしれません。
日本の「古物商許可証」というものが必要ですよ、ということです。
 
しかし、現オーナーが経営しているのは
「ミュージアムショップ」の路面店という感じのものです。
いわゆる「小売店」に、ビジネスライセンスが必要だとは思えません。
 
「念のため、現オーナーに確認します」ということとします。
 
もう一つは、「法務面や税務面などでの質問にお答えするには、 現在ビジネスオーナーに関する詳細情報が必要です。 特に次のような項目の情報が不足しています:
 • 現在のGallery Store社の法的形態
 • 2021年4月以降の所有者(買収・賃貸・経営)
税務とビザに関する課題も法的形態によって異なるので、 お差支えなければ、 現在のオーナーさんに連絡させていただきたいと思います。 恐れ入りますが、 お名前、住所、電話番号、Emailといった連絡先を いただければ幸いです。」
という個所です。
 
2021年以降の所有者は、私たちのことを指すのですが、
新会社を設立するのがいいのか、
あるいは私たちが日本で所有する会社の「ウイーン支店」を設立するのがいいのか、
そこが私たちからの問いなのに、「そこをどうするつもりなのか?」と聞かれているわけです。
 
その上に、現オーナーの会社の形態は?とは。
私たちの会社の形態が、現オーナーの会社の形態に左右されるとは思えません。
いずれにしても、現オーナーと直接のやりとりがないと、ことは進みそうにありませんから、直接会話していただくことになります。
 
 
数日後、現オーナーが連絡を取ってくれたと、連絡がありました。
 
なにか大きく前進するかもと期待していましたが、
「ウイーンの日本語で対応可能な法律事務所を紹介された」と。
「えっ?」
 
 
「オーストリア経済振興会社ABAは、外国投資家への情報提供、
マンツーマンのお世話、オーダーメードのサービスを基に、
オーストリアへの進出、拡張投資計画について、お役に立ちます」と、
ABAのサイトには表記されています。
 
確かに、家族経営規模の小さな会社設立の話ですから、
本腰が入らないのは理解します。
なるほど、あとの実務は法律事務所とやってくれということなのか、
と半ば勝手に理解します。
 
 
その後、こちらからはABAと接触していませんが、
先方からは半月後に、「まだ、現オーナーから連絡がないが、どうなっている?」
という趣旨のメールが届きました。
 
そういうことなら、一度ウイーンの法律事務所へメールしてみるかと、
完全日本語でメールをしてみることになります。
 
 
 
 

 

2021春。ウイーン移住への記録 第12回

2020.05.13

オーベルジュメソンの経営を、

まったくの素人から夫婦で始めて18年が経ちます。

そんな僕たち夫婦が1年後の2021年春、

ウイーンへ移住し、開業することが決まりました。

この連載は、移住までの顛末を記録していきます。

「今の暮らしを変えたい!」なんていう希望をお持ちの方々に、

なにかのお役に立てればとリアルタイムに書いていきます。

 

ちなみに移住までは、夫婦ともメソンで仕事をしております。

その後のオーベルジュメソンの経営は、わたしたちの長女が引き継ぎます。

(このブログはあくまで夫の観点から書いていきます。

妻の観点は直接お聞きください・笑)

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オーストリア大使館商務部の〇〇〇〇(注・実名省略)さんとの1往復のメールの翌日、

日本語での会話が成り立つのかという、一抹の不安を抱えながら大使館へ電話してみます。

最初に電話に出られたのは、おそらく日本人、女性の方でした。

「〇〇さん、いらっしゃいますか?」

「お待ちください」

しばらくすると

「オーストリア大使館商務部の〇〇〇〇(以下、Dさん)です」と、

多少外国なまりはあるものの、まったく会話に不安を感じさせない、

そんなレベルの日本語でした。

もしかすると、名前のまえに「お世話になります」なんていう、

日本のビジネス会話の定型句がついていたかもしれません。(笑)

 

この電話の用件は、Dさん側が確認したいことを聞き取る、ということですが、

まずは、簡単なDさんの自己紹介です。

商務部には何人かのスタッフがいるが、今回のケースは自分が担当するということ。

実際には、オーストリアへの企業進出を支援する「オーストリア経済振興会社(ABA)」(第10回参照)がサポートを行なうが、

日本の常駐スタッフをDさんが兼任しているのだということ。

この振興会社は、オーストリア政府が100%出資していて、

サポート費用は無料だということ、などが説明されます。

 

その後は、私たちの日本での事業、ウイーンで考えている事業のイメージと時期、

ウイーンでの現経営者の事業内容や、こちらが手続きを進めていく上での確認したい内容など、

メールでお知らせしてある内容プラスアルファの確認を会話したということになります。

 

Dさんは、「今、確認させていただいた内容を、ウイーンの本部へ報告して、指示を待ちますので、

しばらくお時間をいただきます」と。20分程度の会話だったと思います。

 

私たちのケースは、特に難しそうな案件ではなさそうですが、

Dさんはあくまで日本での「窓口」というポジションなんでしょう。

その後の、先方の組織内部の工程を想像すると、

今回の会話についての返信は、早くとも1週間はかかるんだろうなーとイメージしていました。

今のところ、急ぐ必要はありませんから、時間がかかるのは織り込み済みです。

 

ところがその2日後、Dさんから返信が届きます。

とっかかりの時もそうでしたが、

予想以上に対応が早いのには驚きます。

そのメールは、こんなものでした。

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オーベルジュメソン
渡辺 様

お世話になっております。
貴社の海外出店に関しオーストリアへの進出をお考えいただき、
ありがとうございます。

本件について、ABA本部からの回答をご報告させていただきます。

基本的には、アートギャラリーを経営するにはビジネスライセンスが
必要なので、先ずこの商用ライセンスを得ることが
重要なポイントです。
もし、取得が難しそうな場合、そういったライセンスを
持っている方を採用し、そのまま営業することも可能です。

また、現代の状況を確かめるため、
以下いくつかお伺いさせていただきます。

法務面や税務面などでの質問にお答えするには、
現在ビジネスオーナーに関する詳細情報が必要です。

特に次のような項目の情報が不足しています:

• 現在のGallery Store社の法的形態
• 2021年4月以降の所有者(買収・賃貸・経営)

税務とビザに関する課題も法的形態によって異なるので、
お差支えなければ、
現在のオーナーさんに連絡させていただきたいと思います。
恐れ入りますが、
お名前、住所、電話番号、Emailといった連絡先を
いただければ幸いです。

ご質問等ございましたら、
ご遠慮なくお問い合わせください。
 
引き続きよろしくお願いいたします。

オーストリア大使館商務部
商務官
〇〇〇〇

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一読して、いくつかの疑問が湧きます。

すばやい対応はありがたいのですが、

不理解や正確さに欠けている部分を含んでいるんじゃないか、ということです。

 

 

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2021春。ウイーン移住への記録 第11回

2020.05.01

オーベルジュメソンの経営を、

まったくの素人から夫婦で始めて18年が経ちます。

そんな僕たち夫婦が1年後の2021年春、

ウイーンへ移住し、開業することが決まりました。

この連載は、移住までの顛末を記録していきます。

「今の暮らしを変えたい!」なんていう希望をお持ちの方々に、

なにかのお役に立てればとリアルタイムに書いていきます。

 

ちなみに移住までは、夫婦ともメソンで仕事をしております。

その後のオーベルジュメソンの経営は、わたしたちの長女が引き継ぎます。

(このブログはあくまで夫の観点から書いていきます。

妻の観点は直接お聞きください・笑)

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ウイーンでの会社設立をどうするか、という難題とともに、

同時進行しているのが、オーベルジュメソンの「事業承継」問題です。

「事業承継」とは、「会社の経営について経営者が後継者に引き継ぐこと。事業承継には帝王学など、経営者としての資質を育てる【経営承継】と、相続税・贈与税をいかに低くおさえ、かつ株式を次期経営者に引き継がせるという【資産承継】とに分かれる。」(Weblio辞書)

 

跡継ぎがいない中小企業の閉鎖が相次ぎ、

社会問題化する中で、税制・補助金などの支援で、

この問題を解決できないかという試みが始まっています。

 

オーベルジュメソンでは、【経営承継】はすでにスタートしています。

当初、この課題は長女へ様々なことを伝えながら、体制も整え、

私たちの移住直前に新代表者へ移行すればいいと考えていましたが、

移住予定の1年前(4月の某日)に、突如思いついて「今日から、ふうかが経営者です」と、

本人も含め内外に宣言することで【経営承継】を始めます。

 

「立場やポジションが、人をつくる」

これまで、ぼくのまわりで成長した人を見ていての実感があったからです。

これは、多少買いかぶれば、自分たち夫婦自身の経験でもあるといえるかもしれません。

 

今後、メソンの質を向上させることや、事業の幅を広げるテーマはいくつもありますから、

経営者としての最初の大きな一つとして、

そのうちの一つのテーマ実現のための補助金の申請を担当させることにしました。

申請に必要な「作文」は、オーベルジュメソンを

今後も社会にとって存在させる意義のあることを

見通すことができできないと成り立ちません。

 

しばらくすると、長女が「別のテーマで別の補助金も申請する」と言い出しました。

その補助金は、事業承継者が申請し、事業承継者自身の新規事業や経営革新の取り組みための補助金です。

補助限度額は、僕が課題にだした補助金の10倍ほどです。

 

滋賀県には、補助金もふくめ事業承継問題の公的な相談窓口が2か所あります。

それぞれからの公認会計士と中小企業診断士のお二方と、

お話しさせていただく機会がありました。

 

 

実は、私たちのウイーンでの会社設立と【資産承継】は、

密接にリンクしています。

しかし、なにをどこから【資産承継】に取り組めばいいのか。

その糸口が見え始めたとともに、

メソンを現在経営している会社の代表者を長女に移行させ、

(当社は、長女に別会社を設立させようと思っていました)

ウイーンでは、日本の会社の支店形式ではなく、

新会社を設立するということが正解なのだと、はっきりようやく見えてきました。

 

 

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