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交えてご紹介しています。

2021夏。ウイーン移住への記録 第25回

2021.04.08

オーベルジュメソンの経営を、
まったくの素人から夫婦で始めて19年が経ちます。
そんな僕たち夫婦が2021年夏、
ウイーンへ移住し、新たな仕事をはじめます。
この連載は、移住までの顛末を記録していきます。
「今の暮らしを変えたい!」なんていう希望をお持ちの方々に、
なにかのお役に立てればとリアルタイムに書いていきます。

 

ちなみに移住までは、夫婦ともメソンで仕事をしております。
その後のオーベルジュメソンの経営は、わたしたちの長女が引き継ぎます。
(このブログはあくまで夫の観点から書いていきます。
妻の観点は直接お聞きください・笑)
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ドイツ語検定の合格で、「定住許可申請の資格を得た」と書きましたが、

正確にはもう一つありました。

そのために滋賀県警本部を訪れます。

日本でいうと「無犯罪証明書」と呼ばれるもの。

こういう証明書の存在を知りませんでした。

これがないと必要最低限の申請書類がそろいません。

 

日本で犯罪歴があってもパスポートによる入国は認められるのでしょう。

しかし、それよりも長期の定住は認めないということなのだと思います。

 

申請書類を整え、滋賀県警本部へ。

案内されたのは、「鑑識課」。

指紋をとる必要からなのでしょうと、担当の女性はおっしゃっていました。

パスポートで本人確認を終えてから、指紋をとる機械ですべての指紋を採取されます。

(この指紋は照合後、すべて破棄されますという説明がありました)

この指紋を警察庁で照合されて、過去の犯罪歴と照合が行われるようです。

 

「無犯罪」という証明が、どんなレベルでおこなわれるのかわかりません。

これまで、妻も含め交通違反の経験はあり、

警察と無関係に生きてこられたわけではありません。

なんとなく、どきどきしながら結果を待つしかありません。

 

4日ほど後、「証明書ができました」という電話。

すぐに警察本部へ。

 

この証明書、用途は定住許可関連での用途がほとんどなので、

5か国語で証明されるもの。

日本語、英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語で併記され、

厳封されて発行されます。

(封を開けたら、それで証明は無効になるので内容はわかりません)

定住許可の申請書類は、すべてドイツ語か英語に翻訳せよ、

という条件がありますが、この書類は翻訳の必要がなさそうです。

(でも、何が「証明」されているのかはわかりません)

 

受け取ってそのまま、郵便局へ。

私たちの申請書・戸籍謄本とともに、日本の外務省へ送ります。

 

定住申請の添付書類のためには、

自治体や警察が発行した書類でも、

さらに外務省の認証・アポスティーユというものが必要らしいのです。

 

さて、同時に進めているのは、ぼくの「大学卒業証明書」の申請。

大学のサイトを見ると、言語が日本語か英語かのチョイスができ、

英語をチョイスをして申請。

 

もう一つは、「婚姻証明書」。

これは、妻の申請に必要な書類なので、妻に情報収集を任せます。

申請書・戸籍謄本・パスポートを添付書類にして、メールを送信。

あて先は、在日オーストリア大使館。

「どうして僕たちの婚姻証明を、オーストリア政府が証明するのか?」と疑問を持っていましたが、

「これは、在オーストリア日本大使館の仕事です」と返信。(笑)

「どうして、僕たちの婚姻証明を在オーストリア日本大使館がするのか?」は、

不明のまま在オーストリア日本大使館へ再送信。

 

どうなることやら。

 

まだまだ、書類揃えは続きます。

 

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2021夏。ウイーン移住への記録 第24回

2021.04.01

オーベルジュメソンの経営を、
まったくの素人から夫婦で始めて19年が経ちます。
そんな僕たち夫婦が2021年夏、
ウイーンへ移住し、新たな仕事をはじめます。
この連載は、移住までの顛末を記録していきます。
「今の暮らしを変えたい!」なんていう希望をお持ちの方々に、
なにかのお役に立てればとリアルタイムに書いていきます。

 

ちなみに移住までは、夫婦ともメソンで仕事をしております。
その後のオーベルジュメソンの経営は、わたしたちの長女が引き継ぎます。
(このブログはあくまで夫の観点から書いていきます。
妻の観点は直接お聞きください・笑)
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今回から、タイトルの一部「春」を「夏」へ変更しました。

定住許可申請に必要なドイツ語の受験が、1か月伸ばさざるを得なかったこと。

当初、パスポート(滞在6か月まで)で、ウイーンへ入り、現地で申請というようなつもりでいたのですが、現在は申請の審査の期間が延びていて、「許可」が下りるまで日本にいた方がいいという、

ウイーン現地からのアドバイスもあって、当初計画より日本にいる期間を延ばした方がいいという判断からです。

 

さて、前回はドイツ語A1を受験したことまでを書きました。

2週間後の18時頃に、サイト上で結果発表。

この画像が結果です。

見にくいですが、「聞く」「読む」「書く」「話す」各25点満点で、合計100点中合格ラインは60点。

結果は81点で合格です。

「読む」「書く」は、それぞれ22~23点で、ほぼ満点。

「話す」も、会場を微笑みに包んだ想定外の言葉を発したぼくに(前回のブログ参照)、

約20点をつけてくれました。

英語のケンブリッジ検定の際にもそうしましたが、「話す」で試験官に稚拙ながら「自己アピール」を盛り込みました。

このドイツ語の試験では、自己紹介のなかで「どこに住んでいるのか」を話す必要があります。

「私は大津市に住んでいます」で正解ですが、そこにわざわざ「近い将来、ウイーンに住むつもりです」と付け加えました。「この検定は、ぼくの人生がかかっているんです」と伝えたかった。

それで、採点が左右されるのかどうかは定かではありません。

でも少しだけでも配慮してくれたらありがたい、という願いがそうさせるわけです。

「溺れる者は藁をもつかむ」です。

 

妻も、70点台で合格。

これで、夫婦そろって申請資格を得たことになります。

 

とにかく、この2か月はそれなりに仕事をしつつ、ドイツ語づけの日々でした。

ようやく申請書類の準備に入ります。

 

実は、まだ膨大な作業が必要です。

準備の最初に訪れたのは、滋賀県警本部。

 

なぜなのか?

この話の続きはまた次回で。

 

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2021春。ウイーン移住への記録 第23回

2021.03.20

オーベルジュメソンの経営を、
まったくの素人から夫婦で始めて18年が経ちます。
そんな僕たち夫婦が1年後の2021年夏、
ウイーンへ移住し、新たな仕事をはじめます。
この連載は、移住までの顛末を記録していきます。
「今の暮らしを変えたい!」なんていう希望をお持ちの方々に、
なにかのお役に立てればとリアルタイムに書いていきます。

 

ちなみに移住までは、夫婦ともメソンで仕事をしております。
その後のオーベルジュメソンの経営は、わたしたちの長女が引き継ぎます。
(このブログはあくまで夫の観点から書いていきます。
妻の観点は直接お聞きください・笑)
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ドイツ語の検定が終わりました。

英語の時と同様、手ごたえは「よくわからない」(笑)。

ケンブリッジの英語検定の合格ラインは、正解率8割。

今回の「ゲーテインスティテュート」の合格ラインは、正解率6割。

その分、多少気が楽でしたが、検定まで約2か月でゼロからのスタートです。

 

スタートのころは、NHKのドイツ語講座などもみていましたが、

何も頭に入ってきません。

なにしろ単語がひとつもわからない状態ですから。

 

とにかく単語を頭に入れるところから始めます。

「ゲーテインスティテュート」A1に必要な単語リストは、

サイトからダウンロードできます。

詳細 – Goethe-Institut Japan

ただし、すべてドイツ語です(笑)。

数百ワードのリストですから、すべて翻訳する作業が必要です。

高校卒業程度の英語の単語力があれば、

こんなサイトが便利です。

単語とその例文、発音が、すべて英語と対比されています。

YouTube上の5時間弱の動画です。

ものすごい力作ですが、英語への翻訳が不正確だったり、

発音(翻訳もかもしれません)がコンピューター任せだったり、多少「粗さ」があります。

この動画を活用して、1か月ほどはひたすら単語を頭に入れ込む作業に没頭していました。

 

妻は、全単語リストが日本語訳されているサイトを見つけて、

ノートに書き込みながら覚えていました。

https://www.google.com/amp/s/www.learning-german.work/entry/german-a1-words-list%3Famp%3D1

 

「だいぶ単語が入ってきたかなぁ」というあたりで、

練習問題を解きだします。

私の場合は、「聞く」「読む」(あとは「書く」「話す」があります)に検定2週間前まで集中しました。

 

問題文ですら意味不明だったときからすると、

少し「何が問われているのか」程度は理解できていることを実感します。

ただし、「聞く」は目で見て覚えている単語と、

その単語の音が頭の中で結びついていないので、

音を聞いて、単語を特定できるまで、かなりの時間が必要でした。

 

ゲーテインスティテュートの公式サイトには、

3つほどの本番同様の練習問題が3つ準備されています。

練習問題 – Goethe-Institut Japan

Goethe

もちろん、これだけでは足りませんから、

問題集を2冊取り寄せました。

どちらもアマゾンで国内在庫があるようですので、

翌日には自宅に配送可能なようです。

それぞれ画像にアマゾンサイトへのリンクが張ってあります。

 

最初は問題を理解することすら一苦労ですが、

この2冊をやり終えれば、検定の合格ラインに近づいてきたことが実感できるのではないかと思います。

 

さらに、たくさんの練習問題を解くのには、

本当にYouTubeが役立ちます。

私がみつけた練習問題がたくさん準備されているところは、ここ。

https://youtube.com/user/ImmoPro1

https://youtube.com/c/Grenzenlosci

 

ほかにも問題集のようなものは、印刷物でもYouTube上でも存在します。

とにかく探すための検索は、日本語ではしないこと。

(日本人が受験した体験記やノウハウはでてきますが)

「Goethe A1」など、ドイツ語で検索しないと、試験対策に直接有効な情報はでてきません。

 

「書く」「話す」は検定2週間前から、準備に入りました。

「書く」は、「あなたは自分の誕生日パーティを開きます。〇〇さんを招待してください。いつどこで開くか、何を持ってきてほしいかを、30ワード程度でメールを書いてください」

なんていう問題です。

 

「話す」は、たとえば「買う」をテーマに任意のカードに書かれた「ジュース」などのような単語をつかって、「あなたはどこでジュースを買いますか?」という質問を、隣の受験生にして、質問された側は「私はいつもスーパーマーケットで買います」などという受け答えを2回。

もう一つは、任意の絵がかかれたカードを見て、「お願い」を隣の受験生にして、そのお願いに答えるという問題が2回。

 

実際の試験で私に回ってきた絵カードの一つは「請求書」でした。

ドイツ語で「Rechnung」。支払うでしたら「Zahlen」。

どちらもうろ覚えの単語で、本番でどちらも思い浮かびません。

「うーん」と悩みながらひねりだした文章は、

「Bitte geben Sie mir Ihr Geld !」(あなたのお金を私にください!)

隣の受験生は、

「Ja,ich gern!」(はい、よろこんで!)

試験官を含め、会場は微笑みに包まれていました。(笑)

 

結果の発表まで2週間程度のようです。

こんなことで受かっているのかどうか?

 

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2021春。ウイーン移住への記録 第22回

2021.02.25

オーベルジュメソンの経営を、
まったくの素人から夫婦で始めて18年が経ちます。
そんな僕たち夫婦が1年後の2021年春、
ウイーンへ移住し、開業することが決まりました。
この連載は、移住までの顛末を記録していきます。
「今の暮らしを変えたい!」なんていう希望をお持ちの方々に、
なにかのお役に立てればとリアルタイムに書いていきます。

 

ちなみに移住までは、夫婦ともメソンで仕事をしております。
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(このブログはあくまで夫の観点から書いていきます。
妻の観点は直接お聞きください・笑)
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しばらくブログから遠ざかっていましたが、
移住準備はゆっくりと進行しています。

 

8月に受験した英語の検定前から、
オーベルジュメソンは「Go Toトラベル」バブルともいえる状況が続いていました。
今年が明けるまで、文字通り一日も欠かすことなく満室状態。
1か月満室という経験はしたことがありましたが、
半年続く状態は経験したことがありません。

 

常勤メンバーだけでは、日々の仕事を回すことができないため、
非常勤のスタッフに協力してもらいながら、
予約の管理、清掃、接客など、日々の仕事に追われます。

 

2月に予定していたドイツ語受験の準備になかなか入れなかったのですが、
「Go Toトラベル」の中断とともに訪れた落着きを利用して、
3月受験に延期して、本格的な準備に入っています。

 

ドイツ語の学習を始めて、英語の受験も経験した私が実感したのは、
「基礎」になるものがあることのありがたさでしょうか。

 

中学・高校・大学と英語を勉強してきました。
「話せない。書けない」と日本の学校での英語教育は、
さんざんに批判されてきましたが、
ドイツ語とは違い、おそらく1000ワード程度は記憶に残っていました。
また、単語をどんな順番で並べれば、文章になるのかという、
「ルール」もなんとなく身についています。

 

英語教育から離れて30年以上になりますが、
「身体にしみついている」のでしょう。

 

しかし、ドイツ語は文字通りのゼロから。
英語を連想させる単語はありますが、ほとんどはオリジナル。(笑)
文法も違います。
(ちゃんと説明できるレベルにはありません!)

 

私たちが受験するレベルは、「CFER」(ヨーロッパ言語共通参照枠)の
最低レベルのA1。
それでも中学生程度の言語能力が問われます。
それを日本語を母国語とする日本人が、
3か月に満たない期間で合格しようとするわけです。

 

準備を始めてみて、その無謀さがわかります。

 

ここ数日で、「想定問題」を解きだしましたが、
「Lesen」(読解)は100点。
「Hören」(聞き取り)は40点。
それ以外に、「Schreiben」(筆記)、「Sprechen」(会話)のテストがあります。

 

トータル100点満点中、60点で合格。

妻にとっては、この合格が定住許可申請のための必要条件になります。
いつも前向きな彼女もプレッシャーで、
多少不安定になるときもある感じです。

 

そんな時に救世主のように現れたのがこれ。

 

 

オーストリア滞在記 (幻冬舎文庫) 中谷 美紀

 

 

ウイーンフィルのビオラ奏者と結婚し、
オーストリアへ移住した女優・中谷美紀さんの滞在日記。

 

これを読みながら、
目の前のハードルへのモチベーションを維持しているという感じです。

 

 

3月17日 東京・赤坂で、受験本番です。

 

一定の年齢になる私たちにとっては、
移住にはそれなりのハードルがあるものです。

 

(どんな方法で学習しているかは、続報します)

 

 

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2021春。ウイーン移住への記録 第21回

2020.11.06

オーベルジュメソンの経営を、
まったくの素人から夫婦で始めて18年が経ちます。
そんな僕たち夫婦が1年後の2021年春、
ウイーンへ移住し、開業することが決まりました。
この連載は、移住までの顛末を記録していきます。
「今の暮らしを変えたい!」なんていう希望をお持ちの方々に、
なにかのお役に立てればとリアルタイムに書いていきます。

ちなみに移住までは、夫婦ともメソンで仕事をしております。
その後のオーベルジュメソンの経営は、わたしたちの長女が引き継ぎます。
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妻の観点は直接お聞きください・笑)
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「ケンブリッジ英語検定 A2」に合格してました。

これがネット上の試験結果です。

「Reading」「Writing」「Listening」「Speaking」の4科目。

それぞれ150点満点で、4科目平均120点で合格。私の場合は127点。かろうじて合格というところでしょうか。

試験結果を見て気づいたのですが、正解率が8割を超えないといけない、かなり高いハードルの試験だったわけです。

課題だったListeningは、120点を上回れませんでした。

試験対策期間2か月で、よく間に合ったと、ほっとしました。

 

日本国内で受験できる英語検定はいくつもありますが、各検定との比較表です。

A2のレベルは、日本の高校生2年生から3年生レベルといわれていますが、

今の英語の授業で、そのまま検定合格に結び付くのかどうかは不明です。

 

これで定住許可申請に必要な、「ポイント」をクリアしたことになります。(これまでの記述と矛盾していますが、その後情報が整理されてきています)

 

私たちは、オーストリア政府の「Rot-Weiß-Rot – Karte」 (赤白赤カード)制度の「その他のキーワーカー」という枠で、条件付き移住制度を利用する申請準備をしています。

この枠には、申請を受け付ける前に、2つの大きな条件があります。

①「オーストリア公共雇用サービス」が、オーストリア労働市場に申請対象の職務に就ける者がいないと判断すること。

②その上で、学歴・職歴・年齢・言語能力などで、一定のポイント数がある人物であること。

 

オーストリア政府は、オンラインでの「ポイント計算機」を準備しています。

(デフォルトでは、英語表示となります)

 

私の場合は、学歴で30ポイント、職業歴で20ポイント、英語で5ポイント。

合計55ポイントで、申請可能な最低必要ポイントにギリギリ到達しています。

(40歳以下であれば、「若い」というだけで、ポイントが上乗せされます!)

 

ウイーンとドイツ在住の、私たちにとっての「移住サポートチーム」に、

「英語検定が合格したので、ポイントが到達したので、申請したい」と伝えると、

「ポイントがギリギリだと、職歴などで減点された場合、申請資格を失うのでもう少しポイントを稼いだほうがいい」と。

 

私が、上乗せできる可能性があるのは、ワンランク上の英語検定か、

ドイツ語検定に合格する以外にありません。

 

ドイツ語圏に暮らすわけですから、「ここでの努力は決してムダにならない」と、

なんとか自分に言い聞かせて、ドイツ語の勉強を文字通りゼロから始めることになります。

 

妻の移住は、私の移住の許可がおりれば、その「家族枠」で申請するのですが、

唯一ドイツ語の資格が必要となります。

そのため、妻もドイツ語の検定合格が必要不可欠なのです。

 

日本国内の検定は、来年2月です。

約4か月で、間に合うか?

 

 

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2021春。ウイーン移住への記録 第20回

2020.09.28

オーベルジュメソンの経営を、
まったくの素人から夫婦で始めて18年が経ちます。
そんな僕たち夫婦が1年後の2021年春、
ウイーンへ移住し、開業することが決まりました。
この連載は、移住までの顛末を記録していきます。
「今の暮らしを変えたい!」なんていう希望をお持ちの方々に、
なにかのお役に立てればとリアルタイムに書いていきます。

ちなみに移住までは、夫婦ともメソンで仕事をしております。
その後のオーベルジュメソンの経営は、わたしたちの長女が引き継ぎます。
(このブログはあくまで夫の観点から書いていきます。
妻の観点は直接お聞きください・笑)
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さて、ケンブリッジ英語検定の受験日当日。

 

会場は、日本での実施団体である河合塾京都校。

自宅からもっとも近い会場です。

試験開始は14時からですが、お昼ご飯を直前に食べると試験中に眠くなりそうでしたから、

早めに京都入りして、11時にランチスタート。

14時までの間は、場所を移してコーヒーを飲みながら、

苦手なヒアリング用の音声をひたすら聞くことにしました。

(途中、意識が飛んでいた時間があったようです。おかげで頭がすっきりします)

 

さて、会場へ。

定員30人ほどの教室に入りますが、受験番号がはられた机は5つだけ。

この日のこのレベルの受験生は、5人だけのようです。

あとから残りの受験生が入ってきましたが、高校生か、浪人生か。

みんな10代の様相です。

先におじさん一人が座っているので、

みんな「会場をまちがえたんじゃないか?」と、一様に動揺します。

 

この受験生の少なさは、

日本でのケンブリッジ英語検定の不人気ぶりを表すのか、

実施時期のタイミングが外れているのか。

事情はよく分かりませんが、

試験監督や、会話試験の試験官の人件費すら賄えてないやんと、

余計な心配をしてしまいます。

 

さて、本番の試験内容ですが、

回答用紙はもちろん、試験用紙も事後にすべて回収です。

 

もちろん詳細は記憶にありませんが、

イギリスから取り寄せた3冊、あるいはネット上に存在していた模擬問題集は、

内容・テーマ・難易度など、本番の問題をよく分析されたものでした。

繰り返しやる意味があると実感しました。

 

なお、こうした問題集は1回1回答え合わせをするのではなく、

答えっぱなしのまま繰り返すと、

いつも新鮮に問題に向かえるというコツがあります。

 

さて、リーディング、ライティング、ヒアリングの3つの試験の後、

会話の試験が始まります。

 

番号順に2名づつ呼ばれ、別会場へ。

事前に試験本番の様子が録画された動画で見ていたように、

試験の進行役が1人、採点役が1人。受験生が2人の4人が会場にいます。

 

ちょっと驚いたのは、進行役の女性が日本人の名前を持つ日本人だったこと。

その女性が自身の自己紹介で、「My neme is Yamada Hanako」と名乗ったことです。

(もちろん名前は仮名です。覚えていません)

 

参考動画は、おそらくすべてイギリスで収録されたものなのでしょうが、

試験官はすべてネイティブなのではないかと、思っていました。

 

しかし日本人の試験官の姿をみて、やはりほっとします。

わずかなことですが、これが母国で外国語の試験を受けるメリットなのだと思います。

 

英語で、日本人がどう名乗るのか?

教科書通りなら「Hanako Yamada」でしょう。

その逆でもいいんだという議論は耳にしたことはありますが、

一応、教科書通りで心構えをしています。

 

ところが、試験官は「My neme is Yamada Hanako」。

その後「あなたのお名前は?」(英語で)と聞いてきます。

ぼくは、「えっ?」っと声に出してしまいました。

 

試験官は聞き取れなかったのかと判断したのでしょう、

「あなたのお名前は?」再度質問です。

ちょっと迷った上で、

「My neme is Suzuki Ichiro」と答えました。

(これも仮名です。もちろん本名を名乗りました)

 

もう一人の高校生は、同じ質問に

「My neme is Ichiro Suzuki」です。

 

このやり取り、採点担当者はどう聞いていたのでしょう?

 

さて、3つか4つ程度の試験官からの質問に答えます。

その後、受験生2人に同じ5つの絵が提示され、

それぞれに「好き嫌い」を表明し、それはどうしてかを伝えながら、

2人で会話してください、と言われます。

 

この形式は、ぼくたちの場合うまくいきませんでした。

どうしても、試験官にしゃべってしまい、

隣の高校生への質問や意見にならないのです。

また、彼が自信なさげにもぞもぞしゃべるので、

ほとんど聞き取れないのも要因です。

 

ですから、試験官が助け舟をだして、会話の進行を始めます。

 

この試験。どう評価されるのか、さっぱりわかりませんが、

とくかくよくしゃべれました。

直前の3~4日間程度の短い準備でしたが、

想定問題のテーマのすべてを、自分の仕事や生活に基づいて想定回答を英語でつくった上で望みました。

(短時間の独学でしたので、発音は切り捨てました)

実際の質問は、想定問題とは違うものが多かったのですが、

この訓練が役立ったといえます。

 

例えば、こんなことです。

「あなたは映画を見ることが、好きですか、嫌いですか。それはどうしてですか?」

「あなたは猫が好きですか、嫌いですか。それはどうしてですか?」

好きか嫌いかは、素直な気持ちですから、すぐに反応できるでしょう。

でも、「どうして映画を見ることが、好きなのか?」

「どうして猫が嫌いなのか?」という問いの答えは、

日常の生活の中で、普通会話になりませんから、ちょっと考えないといけない。

 

試験本番では、「ちょっと考える」という時間はありません。

考えていると「質問がわかっていない」と判断されてしまうからです。

 

さて、この検定試験は全体の7割の得点で、合格です。

発表は11月上旬。

手ごたえはどうだった?と聞かれますが、

「さっぱりわからない」と答えています。

これ、正直な感想です。

 

 

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2021春。ウイーン移住への記録 第19回

2020.09.12

オーベルジュメソンの経営を、
まったくの素人から夫婦で始めて18年が経ちます。
そんな僕たち夫婦が1年後の2021年春、
ウイーンへ移住し、開業することが決まりました。
この連載は、移住までの顛末を記録していきます。
「今の暮らしを変えたい!」なんていう希望をお持ちの方々に、
なにかのお役に立てればとリアルタイムに書いていきます。

ちなみに移住までは、夫婦ともメソンで仕事をしております。
その後のオーベルジュメソンの経営は、わたしたちの長女が引き継ぎます。
(このブログはあくまで夫の観点から書いていきます。
妻の観点は直接お聞きください・笑)
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英語検定対策の続きです。
 
おそらくケンブリッジ検定だけだと思いますが、
同じレベルの検定でも「A2」と「A2 for school」の2種類があります。
検定レベルは同じですが、「for school」は試験の題材が、
およそ中高生の経験レベルといわれています。
 
どちらの検定も誰でも受験でき、同じ資格が認定されるので、
私は、試験日程が近い「A2 for school」を受験することにしました。
 
模擬試験問題集も、それぞれに存在し、
どちらもやってみましたが、問題内容やレベルに大きな違いを感じませんでした。
たまに、一般向けの問題に職場の場面が出てきて、
[colleagues](同僚)というあまり見慣れない単語が出てくる程度です。
 
 
今回、イギリスから3冊の問題集を取り寄せましたが、
到着まで2週間かかります。
その間を埋めてくれたのが、
下記のサイトです。
 
このサイト、ベトナムで制作されているようですが、
ケンブリッジ検定対策が詰まっています。
 
基本はYouTubeで、各レベルの様々な問題集のうち、
ヒアリング部分の問題を表示させながら出題音声を流すという形式。
公式問題集、他社出版社発行の問題集含め、
かなりな数の問題集が掲載されています。
 
また、YouTubeページ内を探すと、
その問題集一冊すべてがダウンロードできるリンクが張られており、
リーディングやライティング、スピーキングの練習も可能です。
A2もA2 for schoolどちらもあります。
ただし、問題集内に回答が掲載されていないものは、
回答がありません。
 
 
問題集を購入することなく、
狭義の検定対策をこのサイトだけでやってしまうことも、
無理ではないかもしれません。
 
 
これらを使って7月8月の2か月間、最低でも5時間ほどを、
検定対策にあてました。
受験体制に入ると家族には宣言していましたので、
ある程度仕事はセーブされていましたが、
朝夕の一定時間毎日出勤していました。
 
 
僕の場合、スピーキングをどう対策するか。
これまで書いてきたように、すべて独学です。
このテストの実際の様子は、
上記のYouTubeページにも何例かが動画で掲載されています。
 
 
全体で約10分ほど、試験官1名と受験生2名で試験は実施されます。
前半は、試験官との会話、後半は受験生との会話。
あるテーマについての試験官の質問について、受験生が答える。
後半は、5つの質問テーマにかかわる絵が並べられ、
それについての好き嫌い、なぜを受験生どうしが会話するという形式です。
 
かなりな量のヒアリングの練習問題をこなしていれば、
試験官の質問は聞き取れそうですが、
回答を即座に英文にして、発音できるか?
 
僕の場合は、受験日当日の4日ほど前から、準備を始めました。
(会話を習っていない以上、発音レベルは完全に無視しました。)
 
各問題集には、前半も後半も想定されるテーマが準備されています。
そのすべてに、想定回答を作ります。
その中から、実際に問題がでればラッキーです。
 
出なくても、自分の身の回りの様々な出来事について、
自分はどう考えていて、どうしてなのかを英語で整理しておくことは、
アドリブ的な回答を求められた際にも、役に立ったようです。
 
 
 

2021春。ウイーン移住への記録 第18回

2020.09.08

オーベルジュメソンの経営を、
まったくの素人から夫婦で始めて18年が経ちます。
そんな僕たち夫婦が1年後の2021年春、
ウイーンへ移住し、開業することが決まりました。
この連載は、移住までの顛末を記録していきます。
「今の暮らしを変えたい!」なんていう希望をお持ちの方々に、
なにかのお役に立てればとリアルタイムに書いていきます。

ちなみに移住までは、夫婦ともメソンで仕事をしております。
その後のオーベルジュメソンの経営は、わたしたちの長女が引き継ぎます。
(このブログはあくまで夫の観点から書いていきます。
妻の観点は直接お聞きください・笑)
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さて、このケンブリッジ英語検定。
イギリスのケンブリッジ大学の一部門で、非営利組織である
ケンブリッジ大学英語検定機構が実施しています。
 
ですが日本では、とてもマイナーな英語検定のようです。
2年前に河合塾との提携で、日本国内での実施機関が設立されました。
(それ以前の実施経歴は知りません)
 
ですから、日本語ブログなどによる「コツ」のような情報はほとんどありません。
 
また、2020年から試験内容が改定されていて、
情報のなさには拍車がかかっています。
 
 
したがって、日本では「対策本」は皆無です。
念のため、実施機関である河合塾に対策本は購入できないのか、
と問い合わせましたが、「塾生以外にお渡しできるものはありません」
という回答でした。
 
 
 
50歳代後半という私の世代の学校での英語学習は、
「Reader」「Grammar」という2教科。
つまり、英文の日本語訳と文法しか学習していない。
 
今の英語検定は、「4技能試験」が主流で、
日本語訳の力などは当然問われず、
(問題も英語です)
「英文を読み解く力」「英文を書く力」「英語を聞きとる力」「英語で会話する力」が問われます。
これから受験しようとする私には、
恐るべしの事態です。
 
 
しかし、大学も含め、おおよそ10年間英語を勉強してきたことは、
基礎として使えます。
たとえば、
このページの中に、A2受験に必要な単語集があります。
この中の9割以上の単語は、すでに頭の中に存在していたように思います。
 
また、文法の基礎も活用できました。
ただし、きちんと学びなおそうと、
 
この2冊は、一通り学習しなおしました。
このシリーズ、とてもよくできていて、
アマゾンでの評判通り、後のライティングやスピーキングに
自然と役立ったように思います。
 
 
ヒアリングは、こんなサイトでスタートしました。
 
スマホではアプリもあります。
知ってる童話、創作童話など、結構楽しめながら、
徐々に聞き取り聞き取り能力を高めていけたように思います。
 
 
 
さて、これだけでは試験対策にはなりません。
大学受験や他の英語検定の定石を踏まえれば、
どれだけ「過去問」を繰り返すかが問われそうです。
 
ただし、新たな問題形式になって、ケンブリッジの検定は年明けの1回しか実施されていません。
春にも予定されていたようですが、
新型コロナの影響で中止。
 
過去問はどこにも存在していないような状況です。
(2019年までのレベルからは、かなり難しくなっているようです)
 
ですから頼りになりそうなのは、
「想定問題集」ということになりますが、
これもいまのところ日本で発売されている書籍はありません。
 
「ケンブリッジ 英語検定 A2」などというカタカナによる検索では、
有効な情報はほとんどでてきません。
 
「Cambridge English A2」という検索が必要です。
 
 
ただし、日本語のAmazonは、イギリスから取り寄せの模擬試験集が購入可能です。
他にも、ケンブリッジの公式サイトも含め、
選択肢はありましたが、以下の3冊を購入しました。
オーダーしてから到着まで、約2週間かかります。
(もちろん、問題、解説、回答などすべて英語で表記されています・笑)
 
 
これは、ケンブリッジの公式問題集。
4回分。試験のレベルを知るにはもっとも確かな問題集でしょう。
CDは付属していませんので、ヒアリングにはネット環境が必要です。
 
 
 
民間の出版社による全8回の問題集。
CDはありませんので、練習はネット環境が必要です。
 
 
民間の出版社による全8回の問題集。
CDが付属しています。
想定問題集だけでなく、実力をつけるための練習問題が付属しています。
ヒアリングテスト時のテキストがありません。
(テキストがないと、英語が聞き取れない部分は、聞き取れないままになってしまう可能性があります)
 
次回に続きます。
 
 
 

2021春。ウイーン移住への記録 第17回

2020.09.08

オーベルジュメソンの経営を、
まったくの素人から夫婦で始めて18年が経ちます。
そんな僕たち夫婦が1年後の2021年春、
ウイーンへ移住し、開業することが決まりました。
この連載は、移住までの顛末を記録していきます。
「今の暮らしを変えたい!」なんていう希望をお持ちの方々に、
なにかのお役に立てればとリアルタイムに書いていきます。

ちなみに移住までは、夫婦ともメソンで仕事をしております。
その後のオーベルジュメソンの経営は、わたしたちの長女が引き継ぎます。
(このブログはあくまで夫の観点から書いていきます。
妻の観点は直接お聞きください・笑)
────────────────────────────────

 
前回のこのシリーズを書いてから、ちょうど3か月。
メソンも、移住の話も事態は大きく変わりました。
 
6月初旬まで宿泊部門は大量のキャンセルと、
新規の予約がほとんど入らない状況が続いていました。
また、春に予定のウエディングがすべて延期。
いつ回復の芽が出てくるのか、
全く読めない状況でした。
 
が、7月以降宿泊部門は一気に回復し、
前年比を上回る実績になります。
 
これまで、経験したことのないほどの満室の連続に、
レストラン部門をすべて休止して、
宿泊部門にエネルギーを集中させてきました。
 
 
 
さて、本題です。
移住の話は、静かに、着実に進行しています。
 
前回は、「私たちの事業プラン」が移住の成否を決めると書いていましたが、
一転、移住の成否を決めるのは、「私自身」であることがわかってきました。
(ここがとても重要なのですが、二転三転しています)
 
 
 
(以下、オーストリア経済振興会社サイトより)─────────────────────────────────
2011年7月1日以来、Rot-Weiß-Rot – Karte (赤白赤カード)制度を利用することにより、オーストリアで就労を希望する就業者の世界中からの移住が可能になりました。 この条件付き移住制度(ポイント制)を用いて、第三国(EU諸国、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイスには別制度が適用)からの高度な資格を持つ就業者およびその家族はオーストリアでの長期移住ができます。Rot-Weiß-Rot – Karte は次のような人材を対象にしています。
─────────────────────────────────
 
つまり申請に必要なのは、上記のポイント。
これをクリアしないと、そもそも申請資格が得られない。
 
そのポイントはどのように計算されるのかは、
下記のサイトから。
(日本語に翻訳の必要があれば、それが可能なアプリでご覧ください)
 
 
つまり、問われているのは
・学歴
・オーストリアで必要な職業能力のための職歴
・英語能力
・ドイツ語能力
・年齢(若いほどポイントが高いが、ぼくの年齢ではゼロ)
 
 
僕の場合、申請に必要なポイントのためには、
英語のA2と、ドイツ語のA1が最低限必要になります。
 
A1とかA2というのは、
CEFR(セファール)、ヨーロッパ言語共通参照枠の基準を指します。
欧州全体で外国語の学習者の習得状況を示す際に用いられるガイドラインのこと。
 
世界中の英語検定の中での対照表は下記から。
 
このうち、オーストリア政府が公認している英語資格をとる必要があります。
ケンブリッジ証明書、TELC、IELTS外交、TOEIC外交、TOEFL外交。
(表記は自動翻訳による)
 
 
このうち、滋賀から近い場所、しかも最短で受験できる資格は、ケンブリッジ英語検定。
検定の申し込み期日ぎりぎりでしたので、
速攻で8月30日の受験日に申し込みました。
 
受験本番まで、ちょうど2か月前です。
さて、準備は間に合うのか?
 
 
 

2021春。ウイーン移住への記録 第16回

2020.06.08

オーベルジュメソンの経営を、
まったくの素人から夫婦で始めて18年が経ちます。
そんな僕たち夫婦が1年後の2021年春、
ウイーンへ移住し、開業することが決まりました。
この連載は、移住までの顛末を記録していきます。
「今の暮らしを変えたい!」なんていう希望をお持ちの方々に、
なにかのお役に立てればとリアルタイムに書いていきます。

ちなみに移住までは、夫婦ともメソンで仕事をしております。
その後のオーベルジュメソンの経営は、わたしたちの長女が引き継ぎます。
(このブログはあくまで夫の観点から書いていきます。
妻の観点は直接お聞きください・笑)
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人類の共同体は、国民国家の集合である。
政治的主権は、最終的には国民国家に帰属しており、それよりも大きな組織(例えば国連)も、またそれよりも小さな共同体(たとえば自治体)も、国民国家の主権を超える権限を持たない。……
 
従って、地球社会の全体を貫いている原理は、国民国家間の競争の論理である。
もちろん、国民国家は絶えず闘っているわけではなく、多くの協力的な関係が結ばれてきたが、そのような協力も、それぞれの国益に合致する限りでしか成り立たない。……
 
国際的な基本枠組みが、「国民国家間の競争」である限り、個人が倫理の点でいくら成熟しても、絶対に重要な社会問題は解決できない。……
 
国民国家の観点からは、最も高潔な行為とは、自国民のために命をも懸ける覚悟でなされることだ。
しかし、その行為は、国家間で見れば、野蛮さむき出しの闘争として表れる。……
 
200年以上も前に、カントが書いてきたことが、今このときほど当てはまるときなはい。
カントによれば、思考の自由とは、理性を公的に使用することだ。
普通私たちが「公的」と見なすこと、例えば公務員が自国のためにあれこれ考えることは、カントの考えでは、理性の私的使用である。
それは国家の利己的利害に縛られているからだ。
理性の公的使用とは、世界市民として考えることである。
 
いきなり、この文章はなんだ?と思われたかもしれない。
 
「新型コロナウイルス後の社会」についての議論はいろいろあるが、
ある新聞に掲載された日本の学者の論考の一部だ。
 
 
 
実は、これを読んで私たちの移住について、
「あぁ、そういうことだったんだ」と、
抱えている問題を深く気づかされたことがある。
 
つまり、「地球社会の全体を貫いている原理は、国民国家間の競争の論理」だということだ。
 
 
私たちの移住への発想はこうだ。
 
①ウイーンへ旅行
②「移住できたらいいねー」と言っていたら、
③「こんな仕事をやってみないか?」という話が舞い込み、
④「やったー!」と、準備を始める。
 
てな具合だ。
 
 
ところが、移住の許可を出す政府側の論理は違う。
人道的な移住を除けば、
国民国家間の競争」に有用な人材のみ、
受け入れる検討をしようということなのだ。
 
 
住みたいところに住む。
そのための稼ぎも自分たちでなんとかする。
 
この考え方しかもたない自分たちを、
少なくとも、オーストリアという国は、
受け入れてくれる可能性が低そうだ。
そのことがようやくわかってきたということだ。
 
これは、単にオーストリアだけではなく、
少なくとも世界の「先進国」では、
同じような傾向をもつらしい。
 
 
大きな企業の現地駐在員への定住許可とは違い、
個人レベルの起業+定住許可というケースの場合は、
「これまでこういう実績をもった人間が、
ウイーンでこういうプランの事業を始めようとしている。
どうです?オーストリアにとってこんなメリットがありますよね?
定住許可を出さないと、もったいないと思いませんか?」
 
 
これで、「国民国家間の競争の論理」に合致するってわけだ。
 
移住への準備を始めてから、数か月。
ようやく「世界の常識」のほんの一部を理解できた。
 
 
前回のブログで登場したすめみやさんとのメールでのやりとりは、
1ヶ月ほどになろうとしている。
この内容は次回から触れるが、
この間、ずーと微妙なズレがあるような感じがしていた。
 
なにがそう思わせていたのかわからなかったが、
国民国家間の競争の論理」を前提にしているかどうか、
このことに拠っていたのだと気づかされた。
 
 
それまで、移住に大切なのは、
ぬかりのない、手続きのための準備だと思ってきた。
 
また、申請の許可がなかなかうまく進まないケースを見聞きしていると、
「なんで、そんな意地悪するんだろ」とか、
「窓口で担当者の恣意的な対応は理解できない」などと、
短絡的にとらえていた。
 
 
しかし、移住の可能性を大きくするのは、
私たちのケースでは、
オーストリアの発展に寄与できるような、
自分たちの「事業プラン」だったのだ。
 
 
 
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