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滞在中の楽しみ方を、
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交えてご紹介しています。

「客室ノート」の謎。(その2)

2019.01.11

(できれば、 「客室ノートの不思議。(その1)」 からお読みください。)

 
もうずいぶん前の話になるが、
とある旅行の口コミサイトで、
日本ナンバーワンの高い評価をうけていた
京都の小さなホテルのオーナーに
どうしてそんなことがなるのか、
話をうかがいに行ったことがある。
(今は小規模ホテル・世界No.1!)
 
そこは、メソンとたいして客室数は変わらないのに、
口コミ数も多いのだ。
 
そのオーナーは、「特別なことはなにもしていない。
外国人の宿泊客が圧倒的に多いことが要因だと思う」と語っていた。
 
「インバウンド」なんて言葉が、日本になかった頃、
外国からの旅行者を強く意識して、
中~高価格帯のアジアンテイストのB&Bを、
宿泊業界未経験の独身女性が祇園の骨董街につくった施設だ。
 
それが見事に当たった。
そのころで外国人が9割程度を占めていたように思う。
 
「日本人は、口コミサイトで評論・評価しようとするが、外国人は感謝を投稿する。
だから自然と評価が高くなり、数も増え、
ランキングが日本ナンバーワンになっているだけだ」と。
 
そのころメソンは、この施設にランキングで肉薄していた。
でも、この施設がある限り、日本ナンバーワンにはなれないとも思っていた。
 
おそらく、このオーナーがおっしゃるとおり、
外国人旅行者に、事実上門戸を閉ざしているメソンでは、
難しいのだろうと思ったのだ。
 
 
 
そこで、「客室ノート」。
 
 
この正月にスタートした試みでは、
宿泊組の半数程度が記入されている。
 
この割合の高さには、驚かされる。
内容は、メソンのあらゆる面での素晴らしさ!と、感謝の表明!だ。
 
ご記入いただくみなさんからすれば、
まったく「匿名性」がない状態でお書きになるわけなので、
どうしても高評価寄りになるのはやむを得ない。
 
「書かない」という選択肢は当然あるわけで、
おそらく「書くという行為」には、なにかしらのモチベーションが必要になる。
 
我が身に置き換えてみると、
「感謝」を表明するに足りる体験がそこにあったということなのだろうと推察できる。
(あるいはクレームの嵐か?)
 
ここ1~2年、宿泊サイトや口コミサイトへの投稿が、
極端に減っている。
SNSという個人がメディアをもつ時代。
口コミサイトの地位が低下しているのだと、一般的には評される。
 
投稿される側からみると、「投稿に至るレベルの仕事に至っていないのかもしれない」
というマイナス思考も働く。
反応がわからなくなってるというのは、少しつらいものがあるのだ。
 
 
そこに「客室ノート」が登場した。
評論ではない、素直な気持ちを手書きで伝えていただけるメディアができたのかもしれない。
 
高評価へのブレを念頭に置きつつも、
それは、働いている人間のモチベーションに確実につながる。
 
ここでの内容は、ランキングとは無縁だが、
私たちにとってとてもうれしいメディアになるのかもしれない可能性がある。
 
 
ですから、ご宿泊されるみなさん。
心優しい内容をご記入ください。
心よりお待ちいたしております。

「客室ノート」の謎。(その1)

2019.01.11

新年の1月1日から、新たな試みとして「客室ノート」を設置している。
 
最近はどこの宿泊施設にいっても、ほとんどみかけない。
かつて「ペンション」などの、
宿泊施設側とお客さんとの距離の近い施設で、
見かけていたものだ。
 
これは、妻が言い出し、元日にとつじょ客室に置かれた(らしい)。
ぼくは正直なところ「どうなるのやら」と少し冷ややかに見ていた。
 
次の日から「ノートにこんな内容が書かれていた」という報告が、
日々入る。
「えっ!そうなの?」
それから数日して、ある部屋のノートを見にいった。
 
そこには、こんなことが書かれていた。
 
 
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この3月に入籍予定の2人で泊まりにきました。
今日は私の誕生日で、彼が予約してくれました。実は、私には3歳になる息子がいて、今回が2度目の結婚です。
息子のことも大きな心で受け入れてくれる彼と2人で
こんな素敵なところに来られて本当に幸せです。
コテージもあるようで、今度は息子と私と新しい夫と、

今一緒に住んでいる母と4人で来たいです。

大阪から来たのですが、

近くに都会を忘れられるおしゃれで自然がもりもりの場所があって
うれしいです。
今は冬ですが、夏に来られたらもっと雰囲気が違って
また素敵かなと思います。
このノートの1ページ目に、

今日の素敵な感想を書けたことを特別に感じています。

メソンさんにとっても、ここに来られたみなさんにとっても、

そして私たちFamilyにてとっても、

幸福な1年となりますように願っています。

本当にありがとうございました。
 
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いろんな意味で、びっくりした。
このお二人、結婚はされていないカップル。
どちらもおしゃれで、クールな感じにお見受けしていた。
 
率直にご自身のことを語られ、彼への感謝とともに、
メソンへのメッセージも表明されている。
 
なにより素晴らしいのは、こんなに素直に気持ちを表現される
この女性ご自身なのだが、それを促したこのノートには、
魔力のようなものが潜んでいるのか?
 
このメッセージを見た後、
あらためて妻に、あのノートの意図はなんなのか聞いてみた。
朝のあいさつを含め、お客さん同士がなにかしら会話されていると、
その場がとてもいい雰囲気になる。
そんなちょっとしたコミュニケーションが
促せるようなことができたらいいな、ということらしい。
 
僕たちはメソンの仕事の本質は、
「それぞれの物語をもつ大切な人と、
ある意図をもってお過ごしになる時間の邪魔をしないこと」
といっている。
 
実はこの言葉、まだ自分自身が納得いくレベルに達していない。
 
この「客室ノート」。
これからのメソンが進んでいく道を
示してくれるようになるのかもしれません。