なぜこの鴨は美味しいのか。養鶏場を訪れて見えたこと
2026.03.09
メソンでは、メイン料理のひとつとして「近江鴨」をお出ししています。
近江鴨は滋賀で育てられるブランド鴨で、
甘みの強い脂と、鴨特有のクセの少ない澄んだ味わいが魅力の食材です。
ある日、「なぜこの鴨はこんなに美味しいのだろう」と改めて考える機会がありました。
そこで今回、車で30分ほどの場所にある養鶏場を訪ねることにしました。
こちらの養鶏場は、森に囲まれた自然豊かな環境にあり、年間およそ9万羽の鴨を育てているそうです。
ただ数を増やすことよりも、「美味しい鴨を作ること」を何より大切にされていることを感じました。

お話の中で面白かったのは、
「もともと社長は鴨が苦手だったんです」というもの。
苦手だったからこそ、鴨特有の匂いやクセの少ない、澄んだ味わいをどう作るか、ということに注力されたそうです。
鴨がストレス無く健康に育つ環境を整えること。
与える餌や水にとことんこだわること。
飼育方法を細かく見直し続けること。
そうした積み重ねが、結果として全く新しい近江鴨の特別な味わいにつながっていると聞きました。
近年よく耳にする「アニマルウェルフェア(動物の福祉)」という考え方。
ここではそれが理念だけではなく、美味しさにもつながる形で実践されているのだと感じました。

お話を聞く中で、もう一つ特に印象に残った言葉がありました。
「妥協するなら作らない」
実際に加工の現場を見学させていただきましたが、
すべての作業が驚くほど丁寧に行われ、徹底されていました。

社長が大切にしているこの言葉が共有されており、
一人一人の社員の皆さんが日々の業務の中で常に意識されていることを肌で感じました。
そして、メソンから車で30分ほどの場所で、日本中の料理人が注目する素晴らしい食材が育てられていることも、改めて嬉しく思いました。
メソンではこの鴨をローストでお出ししています。
オーブンに入れては休ませる、という工程を繰り返しながら、ゆっくりと火を通していきます。
時間をかけて火入れすることで、しっとりとした肉質と、近江鴨ならではの澄んだ旨みがより引き立ちます。
「妥協するなら作らない」
その言葉を聞いてから、この鴨を提供する気持ちが少し変わりました。
お皿の上の一皿の向こうに、作り手の情熱と誇りがあることを忘れずに、大切にお客さまへお届けしたいと思います。

現在ご提供しているメニュー
近江鴨ロース 薩摩芋 九条ネギのサルサ
※一部の写真はグッドワンさんの公式サイトよりお借りしました。














