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1か月に3万円、本を買っていた頃。 | 【公式】オーベルジュメソン|滋賀・何もしない贅沢を味わう籠れる宿

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1か月に3万円、本を買っていた頃。

2020.04.23

大学生の頃、1か月に3万円の本を買うことを、自分の義務にしていた。

 

当時、京都にある仁和寺と嵐電・御室駅をつなぐ一本道にある、

トイレ・台所共同の下宿屋の4畳半に住んでいた。

下宿代は月13,000円。食費は1日1,000円以内と決めていた。

学費は出してもらうが、自分の生活費は自分でなんとかするから、

仕送りを止めくれていいと、大学2年の頃宣言した。

 

3万円の本代というのは、

これから先、自分はどう生きていけばいいのか皆目見当が使いないが、

「人のために役立つ人間になりたい」という希望を実現させるための、

自分への課題だったのだ思う。

社会はどうなっていて、どうしていけばより良くなるのか。

ものすごく知りたかったのだ。

そのせいか、この頃からフィクションはほとんど読まなくなる。

(今でも読みません)

 

下宿代13,000円+食費30,000円+本代30,000円=73,000円

これ以上の収入を、1か月で稼がないといけない。

 

この収入を支えてくれたのが、病院の宿直のアルバイトだった。

時給制だったのか、一晩いくらだったのか、金額に関する記憶はない。

それでも、一晩で1万円程度もらえていたように思う。

1か月に10日ぐらいバイトに入れば、10万円にはなるのだ。

 

夜6時ごろから朝の8時ころまで。

14時間ほどの拘束だが、大学の授業やサークル活動には、

あまり支障がなく、とても都合がよかった。

 

仕事は多様だ。

外来患者さんの送迎、関連診療所からの「検体」の回収、

常勤スタッフ帰宅後の診療時間外の外来の受付、会計。

往診の運転手兼助手など。

警備の役割も担っていた。

今思うと、本来資格が必要なことまで、仕事をしていたのかもしれない。

 

ほとんど、寝るだけの日もあれば、一睡もできない夜もある。

それでも大学卒後、そのまま就職しなかった時期の僕にとっても、

生活を支えてくれるとてもありがたいバイト先だった。

 

いま、オーベルジュメソンのライブラリーには、当時の本はほとんどない。

自宅に眠っている。

今その本をみると、「熱すぎる」のだ。

この熱さは、メソンのお客さんにとっては意味不明だ。

ライブラリーにあるのは、その後の少し落ち着いてから読んできた本だ。

 

ここしばらく、本をほとんど読まなかったが、

あまり仕事がないので、この一週間で手元にあった下記の本を読み出した。

「里海資本主義」 井上恭介・NHK「里海」取材班 角川出版

「戦後政治を終わらせる」 白井聡 NHK出版

「考えないヒント」 小山薫堂 幻冬社

「レイヤー化する世界」 佐々木俊尚 NHK出版

「佐藤可士和の打ち合わせ」 佐藤可士和 ダイヤモンド社

「左翼はなぜ衰退したのか」 及川智洋 祥伝社

「養老孟司の大言論 1」 養老孟司 新潮社

「養老孟司の大言論 2」 養老孟司 新潮社

 

近いうちに、何冊かはライブラリーに並ぶかもしれません。  

 

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