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Story | 【公式】オーベルジュメソン|滋賀・何もしない贅沢を味わう籠れる宿 - Part 2

Story

滞在中の楽しみ方を、
周辺のスポットや季節のトピックを
交えてご紹介しています。

私たちの仕事は何か?

2023.10.14

オーベルジュメソンは創業21年を超える。

これまで、いつも「私たちの仕事はなんだろう?」と考え続けてきた。

「オーベルジュ」は、「主に郊外や地方にある宿泊設備を備えたレストランである」(Wikipedia)。

確かにそうなのだが、どうもしっくりこない。

だから考え続ける。

しかし「あぁ、こういうことだったんだ」と、思い知らされる時がある。

 

とある日に「客室ノート」に記されていた。


癌で闘病中の夫と訪れました。

4月に大きな手術をして、今は抗がん剤で治療中です。

辛い日々の中で、こんなに素晴らしい時間を与えられたことに感謝です。

聞こえるのは、風の音、虫の声、鳥のさえずり…穏やかな優しい人達。

美しい器に盛られたこの上なくおいしいお料理。

澄んだ空気…

これからもずっと、できるだけ長く二人で生きていきたい、と

改めて思わされる時でした。

苦しくても頑張っている夫に感謝とエール!

幸せな時間、ありがとう。

スタッフの皆様、ありがとうございました。


客室ノートを読んで、私たちはゲストがどんな思いやタイミングでお越しになるのかを知る。

そして、ふさわしい仕事ができていたのかどうか、振り返る。

メソンで毎日仕事をしている私たちにとっては、「メソンでの毎日」は日常。

だが、客室ノートを通して、改めて私たちは思い知らされる。

私たちの仕事は何かを。

連泊のススメ─本と温泉と景観と。

2023.10.03

家に籠っているのが好きなので、あんまり旅行に出かけない。
観光にもあまり興味がない。
しかし、たまに出かけるとすればふだん山麓に住んでいるからか、海沿いが多い。

 

自宅から車で2時間程度の範囲内だと、三重県の志摩が好きだ。
大海原だと景色に変化はないが、志摩は地形が変化に富み、小さな島も多く、複雑な景観。
鳥羽から志摩にかけては温泉もある。

 

ある日、本屋さんにでかけ6冊の本を買ってきた。
その翌日が志摩へ出発する日になったので、6冊をもって出発した。
(国内旅行はほとんどこんな感じで、いきなり予定が決まるのだ)

 

予約したホテルは、数年前に泊まったことがある。
「食事はダメだが、いごこちよくて客室からの眺めが抜群!」という印象があった。温泉もある。
出発日前日からの流れで「今回は本を読む旅」と決めていたので2連泊で、目的遂行にふさわしいホテル選びに徹した。

 

私たちにとってこの客室が「読書の旅」に適している理由①は、大きなソファがあること。
理由②海へ面した客室の幅も天地もほぼ羽目ごろしガラスであること。眺めを遮るものがない。つまりベッドで本を読んでいても、海が見える。
また、一定の制約はあるがドリンク代は宿泊料金に込みなので、好きな時にビールが飲め(理由③)、客室にはウォーターサーバーがあるので、水分補給もいつでもできる。こうした条件をそろえようとすると宿泊料金が高くなりがちだが、このホテルは「料金も私にとって心地よい」が理由④。

 

出発日のお昼に伊勢で牡蠣料理屋さんに寄った後、ホテルのチェックインから2日後のチェックアウトまで、ホテルから外出しなかった。ワイヤレスのスピーカーも持ち込んで、読書、食事、温泉。これを繰り返す。私たちにとっては日常ではない景観とともに過ごしただけなのだ。

 

その人、あるいはその時によって旅に望むものは違う。ホテルにもそれぞれ特徴があり、それぞれルールも定まっている。見極めるのはそれほど容易ではないが、予約者が自らマッチングさせるほかない。その地域を味わうことに比重をおくのか、ホテルでの時間を大切にしたいのか…。
それがミスマッチすると、ホテルにクレームが寄せられたりする。
(私たちにはかなりつらいのです)

 

オーベルジュメソンは「ここで過ごすことに意味がある施設にしたい」と願ってつくってきた。客室にはソファ、ブルーレイ・CDプレーヤー、コーヒーメーカー。そしてライブラリーもある。「籠る連泊」というスタイルのためのホテル選びの上で、メソンはかなりおすすめだと思う。(掲載している写真は2枚とも「比良別邸」。温泉はありませんが…)

公式サイトからの予約だと、2泊目以降はお一人1,100円引きです。

 

ちなみに、旅先で読んだ本はこの4冊。

 

『パリのすてきなおじさん』 金井真紀 柏書房
『なるほどの対話』 河合隼雄+吉本ばなな NHK出版
『内田樹の生存戦略』 内田樹 自由国民社
『魔法のコンパス 道なき道の歩き方』 西野亮廣 主婦と生活社

 

 

帰宅した途端、本を読まなくなってしまっていますが(笑)。

秋のメニューのご紹介

2023.10.02

秋のメニューのご紹介

 

皆様、こんにちは

季節もいよいよ秋になりつつある中、
オーベルジュメソンでは秋の味覚、旬の食材をもちいた新しいコースに変更致しました。

今回はSeasonal コースの中から抜粋してこだわりポイントやお料理のご紹介をさせて頂きます。

 

前菜

 

戻り鰹のインサラータ ソイジンジャーソース

まず1品目は、今が食べ頃の戻り鰹の皮目を香ばしく炙ったカルパッチョをご用意しております。

鰹の旬は主に2度あり、4〜5月に獲れるものは初鰹、8月〜9月に獲れるものは戻り鰹と言われております。

戻り鰹は、産卵に向けてたっぷりと餌を食べた後なので、初鰹よりもよく肥えており、脂の乗った今がまさに旬の食材です。

生姜や香味野菜を使った香り豊かなソースと共にお楽しみください。

 

パスタ

猪ラグー 牛蒡 パッパルデッレ

前菜から温前菜を挟んで3品目は、地元滋賀県で採れた猪を使ったパスタです。

ソースは、猟師さんから直接仕入れた猪のバラ肉を、赤ワインと鶏のブロード、ソフリット(主に玉葱、人参、セロリを細かく切って炒めたもの)と共に肉質が柔らかくなるまで4時間かけてじっくりと煮込んだものです。

パスタは、ボリューム感のあるソースに負けないよう、リボンのように幅の広いパッパルデッレを合わせました。トスカーナ地方の伝統的なパスタで、野うさぎや鴨などの煮込みのソースや、脂肪分の多いクリームソースなどと合わせてよく食べられています。

ソフリットには、意外な組み合わせである牛蒡を加えて、土の香りと猪の旨みたっぷりなパスタに仕上げおります。

 

お魚料理

鮮魚のサルティンボッカ

魚料理は、その日厳選した旬の鮮魚に香草のセージとイタリア産プロシュートハムを纏わせて「サルティンボッカ」をイメージした1皿です。

サルティンボッカとは、元々「口に飛び込む」という意味で、すぐに出来て美味しいというところからその名が付けられました。

糖度9度以上のフルーツトマトを使い、軽いトマトクリームソースと共にご用意しております。

この他にも以前ご紹介させて頂いた近江牛のメイン料理など全6品のコースとなっております。

是非、一度秋のコースをご堪能しにいらして下さい。

 

 

⬛Seasonalコース 全6皿

前菜
・戻り鰹のインサラータ ソイジンジャーソース

温前菜
・名残鱧のフリット 紫蘇のジェノベーゼソース

パスタ
・猪ラグー 牛蒡 パッパルデッレ


・鮮魚のサルティンボッカ

メイン
・近江牛サーロインのグリル
 トリュフとマルサラのソース 
 地元野菜のオーブン焼き
または
・鹿肉のロースト アドベリーソース

デザート
・本日のデザート

ブレッド
・フォカッチャ

 

このメニューで予約する:「Seasonalフルコース」プラン

※内容は変更になる可能性があります。

 

⬛The Mesonコース 全7皿

アミューズ
・旬のフルーツとブラータチーズの
 カプレーゼスタイル

前菜
・金目鯛と紅ズワイ蟹のクルード
 ハーブの菜園サラダ

パスタ
・猪のラグー 牛蒡 パッパルデッレ


・オマール海老と近江野菜のカルトッチョ

ソルベ
・本日のソルベ

メイン
・近江牛サーロインのグリル
 トリュフとマルサラのソース
 地元野菜のオーブン焼き
または
・鹿肉のロースト アドベリーソース

デザート
・本日のデザート

ブレッド
・フォカッチャ

 

このメニューで予約する:「TheMesonフルコース」プラン

※内容は変更になる可能性があります。

夏のメニューのご紹介

2023.07.25

皆さん、こんにちは。

7月に入り夏の季節がやって来ました。

オーベルジュメソンでは、夏らしさを感じられる旨みたっぷりの魚介やみずみずしい地元野菜をふんだんに使用したコース料理をご提供いたします。特にハーブやお野菜にはこだわり、香りや風味が際立つ厳選した旬の食材を取り寄せています。

今回はThe mesonコースから抜粋したこだわりポイントをご紹介させて頂きます。

 

まずアミューズには、爽やかな甘みがあり、大きな粒でジューシーな特徴を持つゴールドラッシュという品種のとうもろこしを使用。
余計な糖度を加える事なく100%とうもろこし本来の甘みを引き出しムース仕立てにし、生雲丹とコンソメのジュレをあしらった、涼やかな一品に仕上げました。

さらにヤングコーンのフリット、イタリア産プロシュート、羊のチーズペコリーノチーズと共にお楽しみ頂ける一品となっております。

 

続いては、イサキと夏野菜のズッキーニを合わせたパスタです。

イサキは、夏に脂が乗って旬を迎えることから、「麦わらイサキ」とも呼ばれます。
皮目を香ばしくソテーしたイサキと、旨みを凝縮したセミドライトマトとアサリの出汁を使い、レモンオイルでさっぱりと仕上げました。
ズッキーニは食感と野菜本来の水々しさを活かす為に極薄にスライスした生の状態でご用意しております。

 

最後に、メイン料理は滋賀県が誇るブランド牛・近江牛サーロインをこだわりの火入れでミディアムレアに仕上げています。

ひら自然農園の無農薬野菜をオリーブオイルと塩でシンプルに味付けした付け合わせと熟成黒ニンニクと粒マスタードを合わせた旨みたっぷりのソースを合わせました。

 

このほかにも旬の厳選食材をふんだんに使ったお料理全7品のコースとなっております。

是非、夏のメニューを堪能しにいらしてください。

 

 

「Seosonal」コース 全5品

 

前菜
・湖魚のカルピオーネ
・ミートパテと近江野菜の
ピクルス
・完熟トマトとブラータチーズ
のカプレーゼ

 

パスタ
・イサキとズッキーニ イカ墨の 
 タリオリーニ

 


・本日鮮魚と帆立のポワレ
 地元野菜のカポナータ

 

メイン
・近江牛サーロインのグリル
 粒マスタードソース
 地元野菜のオーブン焼き  

or鹿肉のロースト アドベリーソース

 

デザート
・本日のデザート

 

ブレッド
・フォカッチャ

 

「The Meson」コース 全7品

 

アミューズ
・ゴールドラッシュ 生雲丹
 コンソメのジュレ

・ヤングコーンのフリット
プロシュートとペコリーノチーズ

 

前菜
・鮪のクルード オレンジとペペロナータ

・完熟トマトとブラータチーズ
 のカプレーゼ

 

パスタ
イサキとズッキーニ イカ墨のタリオリーニ

 


・甘鯛の鱗揚げ オマール海老のズッパ

 

ソルベ
・本日のソルベ

 

メイン
・近江牛ロースのグリル
 粒マスタードソース
 地元野菜のオーブン焼き

or鹿肉のロースト アドベリーソース

 

デザート
・本日のデザート

 

ブレッド
・フォカッチャ

ええかげん論

2023.07.21

「コロナ、政治、気候…不安は尽きねどもまずは日常を整える。その智恵がここに。正解は、いつも同じではない。けれど、自分のコンディションを整え、「今・ここ」を感じていれば、おのずと「ある一点」がわかるようになる。料理から、そして保守や仏教の思想から、それぞれに「ええかげん」を探求してきた二人による、自立して豊かに生きるための「ええかげん」論。」

(ミシマ社「本の詳細」より)


料理評論家の土井善晴さんと、思想家の中島岳志さんによる対談形式の本です。

テレビに出演されていた時の、朗らかな笑顔と関西弁が印象的だった、土井善晴さん。

どんなことを考えながらお料理をされるのだろうということが気になって手に取ってみました。

 

本の中で目に留まったのは、こんな言葉でした。

「料理する人は、日頃忙しい、学校や会社に行ってはる人たちに、「春になったよ」って知らせてあげられるということですね。」

 

私はメソンの中で「料理をする人」ではないけれど、「新しい季節の訪れを感じてもらう」ということは、

お客様に対するおもてなしの一つなのではないかなと思いました。

それは、都会にあるホテルよりも、田舎にあるオーベルジュの方がきっと得意な分野だと思います。

 

例えば今、メソン周辺をお散歩していると、だんだん日が長くなっていく中で、カエルの大合唱が鳴り響き、梅雨がそろそろ終わるのかなー?と思わせてくれます。

私たちが日常で感じている季節を、お客様にも感じていただくには、どんな事が出来るのか、そんな想いを大切にしながら、暑い夏を迎えたいと思います。

 

(今回の写真は季節感が出るよう、屋外で撮ってみました。

私は写真を撮ることが好きなので、まずは写真から、皆さんに季節を感じてもらえたら、と思います。)

はじめまして

2023.06.22

この度オーベルジュメソンの今年5月から、料理長に就任いたしました石塚卓郎です。
私の故郷でもある比良山麓のこの地で、新たに料理を作る事となりました。

私は調理師学校を卒業後、京都では京野菜を中心に和とイタリアンを融合したお料理、名古屋では400年の歴史のある料亭の建物を活かして東海地方の代表的な食材の松坂牛・飛騨牛や伊勢湾の新鮮な海鮮を用いたモダンイタリアン、福岡では海の見えるリゾートホテルで地中海料理またはメキシカンなど、15年に渡り様々な経験を積んで参りました

地元を離れて仕事してきた間、日本各地の農家さん、生産者様の下に足を運ぶ機会が多くありました。
それぞれ地域の素晴らしい食材を見つけることを続けてきた中で、この経験を生まれ育った滋賀の地で生かし、表現してみたいと強く思うようになっていきます。そしてオーベルジュメソンと出会います。

比良山脈からなる自然の偉大さやその恵みによって生まれる食材、琵琶湖の豊富なミネラルによって旨みを増した川魚、昔から馴染みのある同級生が作るオーガニック野菜など素晴らしい食材…。
この地の新たな価値に気づきがある毎日です。

これからも自ら生産者様の下に直接出向きながら、皆様にオーベルジュメソンで使っている食材や滋賀県の魅力的なスポット、これまでの僕の経歴などをご紹介していけたらと思います。

オーベルジュメソンで今まで大事にして参りました滋賀県の食材と温かいおもてなしに加え、全国各地の旬の食材をふんだんに使いながらイタリアンの調理法を用いてより美味しい料理をお届けし、一層ご満足して頂けるお店を目指して精進して参ります。

 

・・・

現在、一休.com限定で、全国旅行支援が再開しております。
詳しくは一つ前の投稿をご覧ください。

 

https://www.meson-box.com/archives/1788

<第6回>ながらくご無沙汰をしておりました。

2022.01.19

ながらくご無沙汰をしておりました。

『一緒に学ぶ ワインの愉しさ』を

この度、不定期ながら再開させていただくことになりました。

どうぞよろしくお願いします♪

しばらくはオーストリアのワインについてご紹介させていただくつもりでいます。 

兼ねてより興味がありましたワイナリーを、日本にオーストリアのガブリエル グラスをご紹介された清水 博之さんにお誘いいただき訪ねる機会に恵まれました。

その目的地であるWINZER FAMILIE GRGOR  SCHUPはオーストリアの首都ウィーンより南へ車で約30分、電車で行くと1時間ほどのところにありました。

まずはぶどう畑を案内していただきました。

訪問したのが11月末とあって、葡萄の木はほぼ裸ん坊でしたが、古代2,000年前のローマ時代より存在した広大なぶどう畑について語ってくれた6代目のGregor

彼は瞳をきらきらさせながら案内してくれました。

弱冠26歳の彼は、10年先にこの地にこれからの作り手や若い人たちの為のワインスクールを作りたいのだとか。

今年コロナが落ち着けば、日本にも市場を求めて行く予定だと言っていました。

若いながら次の担い手として、しっかりとしたビジョンを持つ彼に私は感服いたしました♬

日照時間や気温、場所柄に恵まれたこの土地では、シャルドネ、ピノ ノワール、カベルネ ソーヴィニョン、シラー、そしてオーストリア固有品種であるロードギップラー、ゲルバー ムスカテラなどが家族の手を中心として栽培されています。

 

 

貯蔵庫に移動してタンクや樽の管理などを見せていただき、キリッと冷えたRoseccoという弱発泡性のワインを試飲させていただきました。

もう、この子のお持ち帰りは心の中で即決定‼︎ 

このワインはスクリューキャップなのですが、内側に特殊な加工が施されていてギュッと締めると数日は泡がもつようになっているのだとか。

ワインの作られる工程などをドイツ語からわかりやすく通訳してくださるのは、今回お誘いいただいたウィーン在住の清水さんの奥様であるルイーゼさん。

このお二人、大好きです!

そして、皆さんに是非、是非ご紹介したいのがホイリゲなるもの♬

これは、また次回に改めてじっくりご紹介させてくださいね!

それでは皆さま、今年もよろしくお願いします。

私は、明るい春がもうそこまでやって来ているように思えてなりません〜♪

 

ホスピタリティには心がある

2021.08.16

 

「ホテル・リッツにみるホスピタリティ序論―ホスピタリティとサービスの関連について―」※という短い論文を読みました。

 

そこでは、「サービス」と「ホスピタリティ」の違いについて述べられています。

「サービス」は「サーバント=召使い」と同じ語源を持ち、一方、「ホスピタリティ」は「ホスト=主人」と同じ語源を持つそうです。

 

以下は本文の引用です。

 

”サービスの基本的な意味は、奴隷または召使としてマスターに仕えることであり、ホスピタリティの基本的な意味は、ホストとしてゲストを温かくもてなすことである。 言うまでもなく、温かくもてなすためには、温かいもてなしの心がなければいけない。 すなわち、ホスピタリティは心の状態を前提としているのである。”

 

より良いお宿を目指すために、勉強をさせてもらおうと、最近、少しグレードの高いホテルに泊まりました。そこで私は、「サービスに本質がない」という感想を持ちました。

これは、どれだけ質の高いサービスを提供していても、そこに「心」が存在していなければ、無意味になってしまう場合もあるということなのだと、この論文を読んで改めて感じました。

 

例えば、お客様にパンのお代わりについて、ご希望があればご提供するのがサービスです。

一方で、私たちは、食事の終盤や2回目のお代わりの際、最後のお料理までおいしく召し上がっていただくために、「次のお料理のボリュームを確認いただいてから、お伺いします。」と伝えることがあります。これはホスピタリティの一つなのかもしれないと感じました。

 

お客様の人数が変更になるというのはよくあることです。そのご連絡の中で、「息子が一緒に来られることになって」と伺うと、一緒に来られるご両親の気持ちを考えると私も嬉しくなりますし、「友人に急遽仕事が入って」と伺うと、一緒に来られなかったお客様と同じ気持ちで、私も残念に思います。

 

売り上げの増減を抜きにして、お客様が増えることや減ることに、喜びや悲しみを感じるのは、そこに心があり、私がホストとしてゲストをお迎えする姿勢を持つことができているからではないかと思いました。

 

今のお盆の時期のように、忙しい毎日が続くと、そんな「心」を忘れて、効率を重視してしまいそうになることがあります。しかしながら、「サービスはホスピタリティの中にある」

とこの論文では述べられています。つまり、ホスピタリティのないサービスは本来ありえないのです。

そのことを忘れず、日々お客様をお迎えしたいと思います。

 

 

 

※2001年、土 居 守「ホテル・リッツにみるホスピタリティ序論―ホスピタリティとサービスの関連について―」http://jslrs.jp/journal/pdf/45-1.pdf

「籠れる宿」の過ごし方

2020.06.04

こんにちは、ふうかです。

 

緊急事態宣言が解除され、

少しずつ、お客様のご予約、ご利用が増えつつあるメソンですが、

以前とは、大きく変わったところがあります。

 

それは、多くのお客様が「籠もる」ための道具を

準備されているということです。

 

 

元々、父である前オーナーがメソンを始めた時、

大津市北部には、

周りに観光スポットになるものが無かったため、

「宿泊施設で過ごすこと」が旅の目的となるような

「籠れる宿」を目指そうと決め、

それに向けて、少しずつ環境を整えてきました。

 

例えば、

それぞれの部屋にリビングがあるので、

そこにライブラリーの本やCDを持ち込むと、

お部屋で過ごすだけで、

「何もしない贅沢を味わう」滞在が出来るようになっています。

 

そんな中で、一緒に来たご家族やご友人など

大切な人と向き合う時間が増え、

いつもは出来ないような少し特別な会話を作るお手伝いが

出来ると良いなと考えています。

 

 

前置きが長くなりましたが、

メソンの中にはお部屋食の出来るお部屋があるので、

お食事をお持ちする際、

お客様のお部屋での過ごし方を

垣間見ることができます。

 

例えば昨年だと、

どのお部屋に行っても、ラグビーワールドカップで大盛り上がり!

という時期がありました。

 

 

ここ最近も同じようにお部屋の様子を見ると、

多くのお客様が何らかの道具を

準備して来られているのです。

 

例えば、

ご自身でお持ちになったお気に入りのCDを流されていたり、

「お食事のあとにやろうと思って」と

パズルをお持ちになっていたお客様もいらっしゃいました。

 

私が最近1番楽しそうだと思ったのは、

「コードネーム デュエット」

というカードゲームをされていたお客様でした。

(本当に楽しそうにしていらしたので、

ご興味のある方は、こちらのサイトで詳しく説明されています。ご覧ください。)

 

 

それはさておき、

人の集まるようなところへ、自由にお出かけすることは少し難しい環境の中で、

「メソンでだったら外へ出かけられなくても、楽しい旅になるかもしれない」

「こんなものを持っていったら、もっといい滞在になるかもしれない」

などと考えてお越しいただいているのかなと思うと

とても嬉しく思います。

 

もちろん自由にお出掛け出来るようになることも

とっても楽しみなことですけどね…!

 

 

皆様も、メソンにお越しの際は、

まだ読んでいない本や見たかった映画など、

素敵な滞在のための道具をご用意してみてはいかがでしょうか?

 

そして、こんなものを持ってきたら楽しかったよというものがあれば、

また、教えてください。

ぼーっと出来ない

2020.05.01

こんにちは、新オーナーのふうかです。

(私がオーナーになった経緯はこちら

突然ですが、

私はぼーっとすることが苦手です。
休みの日に家にいることはほとんどなく、
いつも何らかの予定を入れたくなります。

 

最近は、休みの日は出かけられませんが、
かと言って突然ぼーっと出来るようになるわけでもないので
長めにお昼寝をしたり、犬の散歩をする以外は
ほとんどずっとパソコンの前に座って仕事をしている状態です。

 

なぜぼーっとしたいかというと、
「オーナーというのは、
手を忙しなく動かしている状況から一歩引いて
先のことを、広い視野で見ることが大事だ」と
前オーナーに言われたからです。

 

この広い視野というのは、

ぼーっと色々なことを考える時間から

生まれるのではないかと思っています。

 

では、なぜ私がぼーっと出来なくなってしまったか、
というと大学時代の習慣が原因ではないかと思っています。

 

大学時代、私は4年間ヨット部でマネージャーをしていました。

 

その仕事というのは、かなり多岐にわたり、

部員の食事作りや、合宿所周りの草抜き、お布団干しといった、お母さんのようなことをしながら、
モーターボートの運転、レース成績の分析、高校生のスカウトのお手伝いなど、
お母さんでは絶対にしないようなこともします。

 

とても忙しいので、いつも何か作業をしながら「次にしなければならないこと」
あるいは「次に後輩にしてもらうこと」をずーっと考え続けていました。

 

そのおかげで、「効率よく速く動く」「今すべき仕事を見つける」
というような能力は身についたと思います。

 

その一方で、何か手を動かしていないと不安になるので、
手を止めてゆっくりと何かを考える時間というのがうまく作れません。

 

最近、ブログを書き始めて、こんな風に「文字に起こす」作業は、

頭を使わざるを得ないので、考えるきっかけにはなるなと思っています。

 

その代わり、頭を洗いながらブログに書くことを考えていると

どこまで洗ったっけ?となってしまったりはしますが・・・

 

もしかして、これがぼーっと出来ているということでしょうか!?笑

 

とりあえず、ここに載せるかどうかは別として、

メソンのことを文字に起こす時間を作ってみようと思います。