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ホスピタリティには心がある | 【公式】オーベルジュメソン|滋賀・何もしない贅沢を味わう籠れる宿

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ホスピタリティには心がある

2021.08.16

 

「ホテル・リッツにみるホスピタリティ序論―ホスピタリティとサービスの関連について―」※という短い論文を読みました。

 

そこでは、「サービス」と「ホスピタリティ」の違いについて述べられています。

「サービス」は「サーバント=召使い」と同じ語源を持ち、一方、「ホスピタリティ」は「ホスト=主人」と同じ語源を持つそうです。

 

以下は本文の引用です。

 

”サービスの基本的な意味は、奴隷または召使としてマスターに仕えることであり、ホスピタリティの基本的な意味は、ホストとしてゲストを温かくもてなすことである。 言うまでもなく、温かくもてなすためには、温かいもてなしの心がなければいけない。 すなわち、ホスピタリティは心の状態を前提としているのである。”

 

より良いお宿を目指すために、勉強をさせてもらおうと、最近、少しグレードの高いホテルに泊まりました。そこで私は、「サービスに本質がない」という感想を持ちました。

これは、どれだけ質の高いサービスを提供していても、そこに「心」が存在していなければ、無意味になってしまう場合もあるということなのだと、この論文を読んで改めて感じました。

 

例えば、お客様にパンのお代わりについて、ご希望があればご提供するのがサービスです。

一方で、私たちは、食事の終盤や2回目のお代わりの際、最後のお料理までおいしく召し上がっていただくために、「次のお料理のボリュームを確認いただいてから、お伺いします。」と伝えることがあります。これはホスピタリティの一つなのかもしれないと感じました。

 

お客様の人数が変更になるというのはよくあることです。そのご連絡の中で、「息子が一緒に来られることになって」と伺うと、一緒に来られるご両親の気持ちを考えると私も嬉しくなりますし、「友人に急遽仕事が入って」と伺うと、一緒に来られなかったお客様と同じ気持ちで、私も残念に思います。

 

売り上げの増減を抜きにして、お客様が増えることや減ることに、喜びや悲しみを感じるのは、そこに心があり、私がホストとしてゲストをお迎えする姿勢を持つことができているからではないかと思いました。

 

今のお盆の時期のように、忙しい毎日が続くと、そんな「心」を忘れて、効率を重視してしまいそうになることがあります。しかしながら、「サービスはホスピタリティの中にある」

とこの論文では述べられています。つまり、ホスピタリティのないサービスは本来ありえないのです。

そのことを忘れず、日々お客様をお迎えしたいと思います。

 

 

 

※2001年、土 居 守「ホテル・リッツにみるホスピタリティ序論―ホスピタリティとサービスの関連について―」http://jslrs.jp/journal/pdf/45-1.pdf

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