「手を握った時の、あなたの手のぬくもりが好きです。
だからこれからもずっと手をつないで生きていきたい……」
この言葉、先日メソンで行われた、ぼくの大学時代の先輩の結婚祝賀会で、
奥さんからの手紙のワンフレーズです。
ぼくの先輩ですから、「アラウンド・フィフティー」。
このあまりに素直なメッセージに、
同世代の参加者はドギマギしていたに違いありません。
幹事の一人として準備にかかわり、このお二人に
「どうしてこの人と、これからの人生をともにしようと思われたのか?を、
本気で手紙にしてもらえませんか?お互いには内緒で。」
とお願いしていました。
このお二人は、付き合いだしてからの思い出をいっしょに整理しながら、
それぞれ徹夜で手紙を準備されたそうです。
ドレスも、指輪の交換も、誓いのキスもない、
このストレートなメッセージの交換だけで、
このお二人の結婚式は、見事に成立しました。
みんななんだか、幸せな気持ちに包まれていました
「幸せ」って、人と人の関係の中にしか
生まれないものなのではないか、と思うようになっています。
そこには、このお二人のような正面を向いた「コミュニケーション」が必要なのだと。
恋人、夫婦、親子、家族、友だち、仲間……。
さまざまな関係の中で、こんなコミュニケーションができる場と時間をつくること。
それがこれから、メソンが取り組むべき仕事なのだと思います。
結婚式だけではなく、もっと日常の中に、
非日常のコミュニケーションのための場と時間をつくりあげるということなのです。
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以下の文章は、上記で登場した
「アラウンド・フィフティー」ご夫妻から届いたメールです。
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「アラウンド・フィフティー」本人です。たいへんお世話になりました。
(T君より)
素晴らしい結婚式でした!あんなに気持ちのこもった祝う会もなかなかないでしょう。
立命の人たちとも何十年ぶりに会えました。ありがとう♪
(Tさんより)
私も本当にうれしかったです。大げさに聞こえるかもしれないけど、
人生の転機になったわー。
(中略)三井住友銀行のCMじゃないけど、
「人は、人と、生きているんだ。」ということを実感しました。ありがとう。
(Kさんより)
おまえは幸せな男だな。
穏やかに、温かい夫婦のオーラを感じられて安心した。
連絡をとりあえる仲間が増えたことも嬉しい祝賀会だった。
これらは結婚式のあと、出席していただいた方々から頂戴したメッセージの一部です。
お世辞半分にしても(失礼!)、ほんとうに温かい
ぬくもりの伝わってくるメッセージばかりでした。
それは、「かつてどん底に堕ちたやつが、
なんとか再起して、幸せをつかんでよかったなー」といった、
上から目線で祝福するようなものでは決してなく、
祝っていただいている本人が言うのもおこがましいのですが、
もっと双方向な、「場」を包む空気感のようなものだと感じました。
本来やるべき、ご招待への準備やら企画の立案など何から何まで、
渡辺くん、iさんはじめ幹事のみなさんにおまかせのままほったらかして、
僕のしたことといえば、前日に「手紙」を書いたことだけです。
企画そのものがお流れになるか、
もしくは準備不足のためにグダグダになってもおかしくないところを、
ともかく「見事に成立」させてもらった渡辺くんには、ただただ感謝です。
この「手紙」こそが、この会を成立させた鍵だったとのことですが、
僕が思うに、もうひとつ。
このメソンの立地や建物、絵や本棚などの調度品すべてが醸し出す、
この「場」の雰囲気が、温かい空気をつくりだす背景だったように思います。
出席された方々が、みなさん口をそろえて、「おめでとう」の挨拶のあとに、
「ええとこやなー」とおっしゃっていましたもの。
立命の同窓会はもちろん、「やぶれかぶれ」や「ぶあいそ」(そういう店があるのです)
の続きをメソンでやろうかとか、
「たんぽぽ」の旅行(そういう集いがあるのです)の宿泊先にええんとちゃう?
などという声も聞こえました。
ある方のメールに、
「『幸せ』って、人と人の関係の中にしか生まれないものなのではないか、
と思うようになっています。」ということに、まったく同感です。
人と人との絆のかけがえのなさ、という意味ではつながりのあることだということで、
どうかご容赦願います。
ほんとうにありがとうございました。