「人前式」というスタイルの結婚式がある。
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両親をはじめ、親戚や友人、知人など列席してくれたゲスト全員の前で
結婚の誓いを立て、承認していただくのが人前式。
決められた型がなく、セレモニーを自由に組み立ててアレンジできるため、
個性的な結婚式を実現させたいオリジナル派のカップルにピッタリです。
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調べてみると、こんな解説だ。
結婚情報誌の調べでは、実際に行われる結婚式のうち、
人前式がしめる割合は、約2割。
しかし、メソンでは8割を超える。
メソン側から、強制も誘導もしていない。
「既成概念」のようなものを、
気にしないお二人が多いということなのだろう。
さて、つい先日「人前式で大切なことは、こういうことなのかもしれない」という
思いにいたった結婚式が行われた。
このお二人、この春に入籍を終え、すでに大阪で同居。
だから式の中でも、「指輪の交換」や「誓いのキス」など、
形式的なことはすべて排除したいという、自分に素直な方々だ。
それだけに式自体は、実にシンプル。
お二人のお母様が、それぞれ子どもの生い立ちを紹介することと、
お二人がお互いへの「誓いの手紙」を読みあうという要素が柱だった。
その場は、本当にあたたかさと感動に包まれた。
特に演出もない、シンプルな結婚式が
どうして、こんな空気に包まれたのか?
ゲストが本気で、このお二人の結婚を「承認」あるいは「祝福」してあげようと思ったからだ。
そこには、母親二人からの自立しようとする子どもへの「本気」のメッセージと
結婚する相手への「本気」のプロポーズの言葉があった。
その場にいた全員が、「本気」だったのだ。
この雰囲気をつくりあげるには、
宗教色のある式ではむずかしい。
全員でつくりあげる「人前式」ならではのことだと思う。
世間では、「人前式」にも標準的なスタイルが、すでにある。
でも「承認」という行為を本当に大切にしようとするのなら、
承認を得ようとする二人は、
結婚する相手とゲストに熱いメッセージを伝えるのだ。
そうすればゲストは本気で「承認」してくれる。
結局、「どうして私はこの人と結婚しようとするのか?」と、
その気持ちの熱さを表現するお二人の構えが問われるのが
「人前式」ということなのだ。